第581回:休みの日

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2月最後の週末は、相方と江ノ島あたりまでドライブしてきた。もちろん当社のカーシェアリングを使って、片道だいたい1.5時間くらいのドライブだ。

天気は文句なしの快晴、ちょうどこの週末から気温も上がって春の陽気。車の中で日光が当たっていると冷房が必要になるような暖かさだった。そのせいもあってか、同じようなことを考える人たちがたくさんいるようで、茅ヶ崎あたりから逗子の方まで、海沿いの道はずーっと渋滞だった。たくさんのサーファーが、相変わらず綺麗ではない海で波を待っていた。彼らも、少し暖かくなった海にホッとしているように見えた。

渋滞した道をノロノロと進み、ちゃんと江ノ島大橋も渡って江ノ島本体に駐車した。流石になかなかの人出で、島野入り口付近のレストランも、頂上に続く山道の途中にあるお土産やさんたちも賑わっていた。コロナ前まで、鬱陶しくて大嫌いだった人混みが懐かしく、少しホッとさえした。

江ノ島は頂上に行くまでにだいたい200~300段くらいの階段がある。そしてその階段を足で登りたくない人向けに有料エスカレーターもある。頂上まで確か450円くらいのエスカレーターだ。たかが200~300段で、なんて美味しい商売なんだ、と思った。例えば、トレーニングで5本くらい、誰かを担いで登ったら2,000円くらい儲かる計算だ。汗だくの背中に450円払って乗ってくれる人なんていないだろうけど、理論上はそういう計算だ。例によって相方はエスカレーターに乗りたがったが、そんなものにお金を払うのは絶対に嫌だったから、結局半分くらい僕が担いで頂上まで登った。450円払わせようかと思った。

ちょうど日没の30分前くらいのタイミングで、富士山の左側に太陽が沈んでいくのを眺めることができた。なんともロマンチックな日没だった。僕らの隣で同じ景色を眺めていた30~40歳くらいの男女は、なにやらぎこちない敬語で「綺麗ですね〜」なんて言い合っていた。なんだ?初デートか?マッチングアプリか?と邪推した。でも、せっかくだから上手くいくと良いね、と陰ながら応援しておいた。

島を出る頃には当然ながら完全に日も沈み、風が冷たかった。僕らと同じように夕暮れを見て帰る車と、夜景を見にくる車で、江ノ島大橋は絶望的な渋滞になっていた。来た時と同じようにノロノロと車を走らせ、家路についた。

ドライブは気持ち良かったし、良い景色も見たし、当社の売上にも貢献したし、のんびりとした良い休日だった。