第588回:半世紀へのエントランス①
先週末は、Mr.Childrenのライブを観るため、当月二度目となる福岡に行ってきた。今回のライブはMr.Childrenデビュー30周年を記念したもので、”半世紀へのエントランス”というタイトル。30周年なんだか50周年(半世紀)なんだかよく分からない、捻りがあるのか無いのかもよく分からない、いかにもMr.Childrenらしいダサいタイトルで僕は好きだ。
半世紀へのエントランスは4月から夏にかけて全国のドームやスタジアムを回るツアーで、僕らが今回チケットを勝ち取った公演4/23(土)@福岡PayPayドームは、そのツアーの初日だった。コロナ禍を経て、言葉どおり数年ぶりにステージに上がるMr.Childrenを見られるのは、なかなか嬉しいものだ。
前日から福岡入りし、当日は少し観光してからドームを目指すことにした。福岡は柔道が盛んなおかげで、これまで幾度となく訪れた地ではあるものの、当然ながらその滞在時間のほとんどが柔道に充てられていたため、観光はしたことがなかった。しかし、いざ観光しようとすると、あまり興味を引かれるようなスポットがないということに気がついた(誤解がないように伝えておくが、僕がつくづく低俗な人間で、歴史的価値や芸術的価値を理解するほどの感性を持ち合わせていないため、興味を引かれるようなスポットが見当たらなかったのだ。)。「福岡って意外と観光したり遊んだりするところが無いから、みんなご飯やお酒がメインになって、だから美味しいお店が多いんだよ」と誰かが言っていたのを思い出した。
とは言え、せっかくの福岡での半日を無駄にするのはもったいないので、太宰府天満宮にお参りに行くことにした。道真公のお力で、少しでも賢くなってから半世紀へのエントランスを迎える作戦である。中洲近くのホテル近くからタイムズカーを借りて、下道で1時間ほど。朝からギリギリのところで我慢していた空から、ポツポツと降り出した頃に到着した。小雨降る中で相方と二人、早歩きで本堂を目指し、急いで二礼二拍手一礼をした。柔道の試合だったら審判にやり直しを命じられるような礼だったかもしれない。今年まだ一度も出していない大吉を夢見ておみくじを引くも、それぞれ小吉と末吉を引き当て、お互いパッとしない上に、どっちが上かもよく分からないと笑いながら商店街を歩いた。いちおう名物らしい梅ヶ枝餅を食べ、たぶん名物でもない明太かまぼこを食べ、またタイムズカーで帰路についた。