第676回:33歳
5月30日に、33歳になった。33歳に対して特に感想はないけれど、着実に僕は大人になっている。
33歳、社会人としてはそれなりに脂が乗ってきて、それなりに周りが見えてきて、色々と楽しくなってくるこの頃ではあるが、やはり身体的には少しずつ衰えを感じてくるものである。26歳の3月に現役を引退するまで、毎日過度な運動をして、普通よりかなり頑丈な身体を作ってきた。そこを発射台とすると、やはり普通の人よりも台が高い分、体力が衰える角度は急だ。引退直後は、個人的なトレーニングでスクワット160kgくらい挙げていたが(現役の時はMAX210kgだったけど)、1年後には150kgになり、3年後には140kgになり5年後には120kgになった。毎回、腰や背中がビキッとなって「いかんいかん、現役じゃないんだから無理しちゃいかん」と重量を落としてきたのだが、引退7年目に入った先月、ついに120kgで”ビキッ”がきてしまった。いよいよ100kgに落とさないといけないのかもしれない。100kgなんて、どこにでもいる普通の人みたいで嫌だなとは思うけどビキッには逆らえない。
もう一つ、スクワットに比べると果てしなくどうでも良いことだが、酒と夜更かしに対する耐性も日に日に衰えを感じる。引退直後は、週休二日になったのが嬉しくて、また日々の練習がないから体力が有り余っていて、それこそ羽が生えたように遊び歩いていた。週4-5回は呑んでいたような気がする。それでも次の日のパフォーマンスがそこまで落ちることはなかった。それが最近はちゃんと次の日がキツい。夜更かしすると眠くて仕方ない。多少コロナ禍での長い自粛生活が衰えに寄与しているとは思うものの、それだけでは説明がつかない衰えだ。最近まではその衰えに気が付かないフリをして頑張って呑み歩いたりもしていたけれど、もうすっかり次の日を考えて呑むようになってしまった。
「大人になるというのは、一つ一つ何かを諦めることだ」的なことを誰かが言っていたような気がする。もしかすると自分で思っただけかもしれない。いずれにせよ僕は確実に大人になっている。良くも悪くも。