第675回:シックス・センス②

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自分で面白いと思うと、周りの人間とそれを分かち合いたく、共感したくなるもの。会社で、部署のメンバーに片っ端から「”シックス・センス”観たことあるよね?」と話かけたのだが・・・、観たことあると答えてくれたのは5人中1人しかいなかった。僕より5歳くらい下の女の子たち、まぁそれくらいなら百歩譲ってジェネレーションギャップで許せる。僕と同じ歳の男、僕より5歳くらい上の男、それが観たことないのはビックリした。存在は知っていても「だってホラーでしょ?怖いじゃん!」と言われた。僕の中では”名作”というジャンルに分類していたからあまり認識していなかったが、確かに分けるなら”ホラー”か。それにしても、とてもビックリしだ。僕としては”シックス・センス”は言わば基本的教養の映画と勝手に思っていたのだ。”スター・ウォーズ”とか”バック・トゥ・ザ・ヒューチャー”とか、日本映画で言えば”千と千尋の神隠し”とか、そういうのに並ぶ教養映画と思っていた。自分勝手な偏見だったらしい。打ち砕かれた。

仕方ないから5歳くらい下の、言わば後輩の女の子に、次の週末の宿題として観てくるように指示した。こうやって文章にするとパワハラチックだが、心配無用、仲の良い人にしかそんなことは言わない。その証拠に、週明け「観た?」と聞くと、「あー、そういえば観てないですね。二日酔いでした!」と言われた。完全とナメられてる。

そんなんだから今のところ、誰ともこの気持ちを共有することなく今に至る。全人類と共有できると思っていたのに。いろんな人生があり、それ故にいろんな常識があり、教養なんてものも人それぞれということだ。多様性、サステナビリティじゃないか。