第674回:シックス・センス①
2週間くらい前に、映画”シックス・センス”を観た。珍しく真面目に観た。
そう、別に胸を張って言えることではないが、最近真面目に映画を観ることが少なくなった。まず映画館に行くことがめっきり減った。もちろん観たい映画が、それほど出てきていないというのが前提ではあるものの、なんだか映画館に行って2-3時間じっとしているのが億劫に感じてしまうこの頃。家のテレビでNetflixやらAmazon Primeやらで観ることはあるけれど、かなり不真面目に観ている。ご飯食べたり、掃除をしたり、携帯ゲームをしたり、日経電子版を読んでいたり、ほぼ確実に他の何かをしながら意識の30%〜50%くらいを使って観てしまっている。あとはジムで走りながら観るくらい。それも決して真面目に集中して、とは言えないだろう。要は忙しなく、生き急いでいるのだ。そんな僕が先週末、真面目に”シックス・センス”を観たのだ。
残念ながら、“シックス・センス”を観るのは今回が初めてではない。前回観たのは(おそらく)小学生の頃、20年以上前のことだ。ちなみに調べてみると1999年公開らしい。まだ911前のアメリカ。iPhoneもないし、コロナもない。世界はノストラダムスの大予言を恐れ、サステナビリティなんて考えは存在していたか怪しい。僕はやっと猿から人間になりかけるくらいの歳で、ブルース・ウィルスの髪の毛もまだ残っている。四半世紀の重みだ。
そんな前に観たものでも、もちろんこの映画の醍醐味である大筋は覚えている。幼心に衝撃だったのだ。だから、今回新鮮な気持ちで観ることはできなかったけれど、それでも良い映画だった。小学生のとき、周りの大人が言うのを聞いて、少し背伸びして「面白かった」と思うのではなく、ちゃんと自分の感想として「なかなか面白い」と思った。やっぱ名作って名作なんだな、と改めて気がついた。