第685回:冷凍宅食の挫折

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とうとうテレビCMなんかも出てきたけれど、世間的にジワジワと冷凍宅配弁当が流行ってきているのは間違いないだろう。雑に説明するならば10~20食くらいの冷凍おかずを月に1回くらい届けてくれるというサービスだ。「栄養バランスがちゃんと考えられたおかず」というのが一つ大きなウリになっていて、自炊しない健康に懸念のある学生やサラリーマンなんかがターゲットになるだろう。つまり、一人暮らしのサラリーマンで、毎日コンビニやらオリジン弁当やら、松屋あたりのお惣菜・弁当を食べている僕は、ターゲットのど真ん中というわけだ。例によってInstagramやらXやらのタイムラインで毎日毎日嫌というほど宣伝が流れてきた。そんなに推してくるなら試してやろうということで、5月くらいに初回大幅割引のパック的なやつで注文してみた。

大きな冷凍庫を持っていない僕は最小単位の14食セットで頼んだのだが、それでも冷凍庫はパンパンになった。なんなら1食分入りきらなかったから届いたその場で食べたりした。

なんだかんだその後も一回分は配達を頼んだから(正確には自動的な契約延長を解除するのを忘れていたのだが)、全部で30食程度のおかずを受け取り、20食くらい食べた現状として評価するなら、少なくとも僕には合わないサービスだ。

味は普通だけど、健康を意識しているものらしく薄味だ。別にそれを攻めるつもりもないが、何よりもイマイチなのは量が圧倒的に少ない。普通の人のおかずとしても少し少ないと思う。味と量だけで例えるなら小学校の給食といったところそれで、初回割引でない普通の注文だと1食あたり600~700円くらいする。「栄養バランスが整っている」、「いちいち買いに行く必要がない」というプレミアムを考慮すれば至極妥当な金額だが、「栄養バランスは比較的自分で管理できる」、「買いに行くのは嫌いじゃない」僕からすると非常に割高だ。あと、結局ご飯は自分で用意しないといけないのが難点だ。仕事終わり19-20時くらいに帰って、おかずが冷凍庫にあるとしても、米を炊かないといけない。となると結局食べるのはそこから1時間後になる。「ご飯も事前に冷凍しておけよ」という話なのかもしれないが、冷凍庫パンパンだし、出来れば炊き立てが良い。

それで実際に何が起きているかというと、買ってきた方が安いから買いに行っちゃうし、夜遅くに帰る時にはご飯炊くのが面倒なので弁当を買って帰ってしまう。冷凍おかずが全然減らない。3ヶ月近く経っている今でも30弱を消費しきれない状況。僕には合わないサービスだ。もうすでに解約し、届くことはない。そして、骨折して動けなくなるようなことがない限り、また異常に少食にならない限り、2度と頼むこともないだろう。