第727回:復帰戦もしくは引退試合①
従前からの宣言通り、6月7〜8日に北海道立総合体育センター(北海きたえーる)で開催された全日本実業柔道団体対抗大会に出場してきた。エントリーは男子3部、チーム編成は当社柔道部のOB軍団で。
前日金曜日、昼過ぎまで仕事をして、夕方の飛行機で北海道入りした。ちょうど飛行機に乗り込んだ時に、チームのグループLINEで対戦相手のオーダー情報が流れてきた。トーナメント表こそ数週間前に発表されていたから「どのチームと当たるか」だけは分かっていたけれど、そのチームの「どんな相手と戦うか」は前日配られるプログラム冊子でしか分からなかったのだ。ちなみに「どのチーム」というところでは、初戦から優勝候補のチームで、なかなか最悪なトーナメントだった。
さてドキドキしながらオーダーの写真を開いて、初戦の相手チームの、僕の位置“次鋒”のところを眺めると・・
“氏名”は、知らない。最近の選手の名前なんてほとんど知らないから、これはほぼ当然。むしろ僕でも知っているような有名選手じゃなくて良かった。
“身長・体重”は、192cm・105kg。飛行機の中で一人、「マジか〜」と呟いてしまった。引退して、競技からだいぶ離れてしまった身としては、試合に出るにあたって重視するポイントに “安全性”というものが入ってくる。現役の時のポイントは“勝つか・負けるか“だけだったけど、僕はもうその立ち位置ではない。192cm・105kgは、その安全性を十二分に脅かすサイズ感だ。
“年齢”、24歳。ついこの間まで学生のメチャンコ元気世代。
最後に“出身校”、東海大。「終わった」と思った。誰に聞いても間違いない、文句なしの柔道強豪校。
それら眺めたところで、一瞬「まだ飛行機降りられるかな」と思ったり思わなかったりした。