第781回:カヤック③
Ozmoが心配とはいえ、まずはカヤックを戻さないといけない。おじさん「すみませんが協力して欲しくて・・・、そちら側から持ち上げてもらっていいですか?」とのこと。大きいから、おじさん一人では持ち上がらないのだ。僕が海中から持ち上げ、おじさんが船上から引っ張り、二人のせーのでひっくり返した。すると、船の下からプカプカ浮いたOzmoが出てきた。正確には、海に落とさないように飲み物を入れた麻袋に、Ozmoを軽く括りつけていたおかげで、それと一緒に浮いていた。我ながら、危機管理能力の高さに、心の底から感心した。
自分や相方よりも、「まずは、この子を!」と言ってOzmoをおじさんに渡し、おじさんのカヤックの上で固定してもらった。そこまでして、ようやく一息ついて自分もカヤックの上に戻る。おじさんが、反対側が浮かないように抑えてくれ、僕は腕力と浮力の反動を使いながら、上半身→下半身の流れで登った。最後に相方。僕と同じ要領に加え、船上から僕が引っ張り上げて船上に。改めてずぶ濡れになった二人と、おじさんで「何が起きた?」の振り返り。たぶん、足を戻すタイミングで、二人同時に、足を入れていたのとは逆側に重心が移動してしまったのだ。僕と相方は、お互いでお互いのせいにした。ただ体重が重たい分、なんとなく僕の方が罪が重いような雰囲気で着地した。まぁ理屈で考えてもあながち間違ってなさそうだから、過失割合は僕60%::相方40%で納得することにした。幸いなことに、転覆してから、僕がOzmoの心配ばかりして、相方の心配をしなかったことについては、気がついていないのか、お咎めはなかった。ついでに面白かったのが、この転覆事件について、僕らと同じくらいおじさんもビックリしていたことだった。長年インストラクターをやっているに違いないが、まさか転覆するとは・・・だったのだろう。なんなら少し申し訳なさそうにしていて、可哀想だった。おじさんのためにもOzmoが無くならなくて良かった。