第5回:別れ

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 いつものようにみんなで朝起きて、みんなでトレーニングして、みんなで練習行って、みんなで、みんなで飯食って。これからもずっとこんな感じでやっていきたいと思った。
 昨日、27日、私以外の三年寮生(東海大学に進学する人たち)が退寮した。いつも当たり前のように隣にあったものが無くなった。今回はその、何とも言えない寂しさを綴る。

 その前日26日、監督と三年寮生で焼き肉を食べに行った。まさしく最後の晩餐。3月9日の柔道部の送別会まで泣くつもりは無かったのに、駄目だった。「お前らは本当に明るくて、元気で、少しバカっぽくて(?)、最高の学年だった。ありがとう。」なんて言われたらそりゃ我慢できません(まあ泣いてたのは監督と俺だけだったけど。よくみんな我慢できるな、と感心。相変わらず泣き虫で困ったもんだ。こんなんじゃ送別会、泣きすぎて干からびる)。
 次の日、みんなが引越しの準備や挨拶を終えて、行っちゃった時も私だけ泣いた。やれやれ、やっぱり俺も慶應大学じゃなくて東海大学の方が良かったかな、とか思ったりして(冗談)。

 三年間、キツい時も楽しい時も、いつも一緒にいた。負けた時の涙も勝った時の涙も、一緒に流した。挫折も感動も一緒に味わった。もちろん同じ釜の飯を食って、一つ屋根の下に寝た。本当に家族の様な存在だった。今となってはあいつのオナラも、あいつのイビキも、恋しくなっちゃうんだよな。これから3月10日の卒業式まで一人部屋。割れた衣装ケースも、汚い洗濯物も、決して使われることのなかった教科書達も何もない。

 今、必要以上に広くなっちゃった部屋で一人パソコンを叩いている。寮がこんなに片付いたことが無かったから知らなかったけど、
 キーボードの音が良く響く。

慶應義塾大学 総合政策学部(2010年 4月入学予定) 藤井 岳