第112回:慶應杯
先月3月24日土曜日、我々慶應大学体育会柔道部主催の大会 「 慶應杯 」 があった。これは全国の 「 文武両道な 」 高校を招いての非公式戦で、毎年かなり盛大に行われている。今年5回目を迎え、今回の参加は50余校。去年は震災の影響で開催できなかったから、我々新3年生にとっては初めての慶應杯だった。
そんな一大イベントを乗り越えてみて一番感じたことは、一つの大会をしっかり成功させることの難しさだ。僕は部員の中のいわゆる大会実行係ではなかったが、それでも色々たくさんの仕事があった。前日準備は昼から深夜まで、当日は朝7時前に集合して解散は19時くらい、ととにかくハードな2日間。大変な思いをした。
思えばこれまで14年柔道をしてきて、大会を動かす側に回ったのは初めて。普段忘れてしまいがちな、柔道が出来ることへの感謝の気持ちを改めて感じた経験だった。
大会当日、僕は柔道経験が長いということもあって審判をした。微妙な判定の基準とか、細かいジェスチャーの仕方とか、これが意外と知らなくってなかなか勉強になった。その中で特に大変だったのは、周囲からの声だ。非公式戦とは言え、高校生たちはとても一生懸命に試合してくれているし、先生たちもけっこう熱くなっている。サイドから 「 有効あるでしょ !」 とか 「 指導が遅い !」 とか散々言われる。そんな中でも自分の判断に自信を持って裁いていかないといけない。ちょうど20日にあった後輩の全国大会で僕らは、「 はいはい、指導でしょ~~ !」 とか、ヤジともとれる応援をしていたもんだから、少し考えるところがあった。
とは言えやっぱり、可愛い後輩が試合していたら僕はきっと贔屓しちゃう。つまり僕は、審判は出来るだけしたくない。
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳