第149回:全日本柔道新体制

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全日本柔道が井上新監督になって最初の本格合宿が、23日から27日まで、味の素ナショナルトレーニングセンターで行われた。強化選手の方も新メンバー。講道館杯など今年一年の成績から選ばれた新しい選手、ジュニアを含めた全階級で100人近くが一斉に集められた。「 これからの長い戦い ! さぁこっから新しいスタートだ 」 といった新鮮な雰囲気の合宿だった。

もちろん変わったのはメンツだけじゃない。練習メニュー、トレーニングメニューもガラッと変わって、日程も6日間だったのが5日間に短縮された。量をこなして、キツイのを気力で乗り切る根性論中心の練習から、内容を重視した短期集中型練習にシフトチェンジした感じ。乱取りの時間は今までの半分近くまで削られて、その代わりに 「 一つの場面を想定した部分練習 」 が多くなった。朝のランニングトレーニングは、しっかり息を上げて筋肉も作るんだけど、今までのような一日のエネルギーの大半を持っていかれるようなものではなくなった。日中の柔道の練習にも集中して取り組めるメニューだ。

僕個人の意見を言わせてもらえば、凄く集中出来て、雰囲気も良く、何を目的とした練習をしているのかが明確で、とても良い練習だったと思う。
単純に圧倒的な身体能力で優位に立つ外国勢を相手に、ただ練習量で対抗するのには無理が出てきた現状。これを打開し、また世界のトップに戻るために何をするか。日本人独自の細かいテクニックや、持久力を徹底的に見直す。それを明確なかたちにした練習になった。

相模高校の越年合宿を挟んで、来年の1月4日からまた全日本合宿だ。一週間しっかり休んで気持ちを作って挑んでいく。

更新:2012-12-28
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳