第148回:悩める新主将

未分類
Pocket

時の経つのは早いもので、僕が慶應柔道部の主将になってもう一ヵ月になる。最初にそれを言われた時には正直、大変だ、と思った。組織を仕切ったりまとめたりするのは得意なつもりだし、実際、練習メューや予定を立てるのは楽しい。しかし、この柔道部をキチンと一つにするのは意外と難しいのだ。
何故かって、一言で言えば 「 色んな人間がいるから 」 だ。僕みたいに競技柔道を極めたいってのもいれば、健康になりたいとかマッチョになりたいってのもいる。友達がいるからとか、就職活動に有利だからってのだっているだろう。( 実際、新入部員勧誘の際には、友達ができるとか就職に有利とかってことも謳っている )
というわけで、東海大相模高校をまとめるのとは訳が違うのだ。ああいう、柔道をするためだけに集められた集団では、当たり前に全員が 「 日本一 」 を目指していたから、それに向かって一丸になれた。喧嘩しても何をして全ては 「 日本一 」 になるため、細かいことはどうだって良くて、それで何もかも上手くいったのだ。
色んな種類の人間と触れ合うことで成長する ! 確かにこの多様性が我が柔道部の良いところで、自慢でもある。だって無数の選択肢の中から好き好んでこの柔道部を選んで集まった集団なんだから。しかし反面この多様性が弱点にもなるのかな~、と新主将は考えている。こんなにもバラバラの思考、経歴、目的を持った人間が集まれば、やっぱりあちこちでホツレが出来てくるものなのだ。
今気になっているのは、柔道以外の面での下からの指摘が多いこと。僕なんかが考えたこともなかった不満があれこれと出てくる。正直こんなの真面目に話し合うことか ? って感じちゃうのもあったりするけど、主将をやるからにはやっぱり完璧にやりたいから、一つ一つ丁寧に話し合って、出来るだけ不満や差別感の残らないようにベストなかたちを探っている。
下にいた頃は、ひたすら自分のことだけを考えて、思いっきり柔道やって、適当に上に逆らっていてれば良かったんだけどな~、なんて最近よく思う。主将は、やりがいがあって楽しいけど、ちょっと忙しくて大変で、ストレス溜まってく感じ。でもやっぱチームとしての目標は何が何でも達成したいし、これがきっと自分の成長にもつながると思うし、少しだけ弱音吐いて、また明日から頑張りまーす ! って感じ。

以上、主将の近況報告とさせて頂きます。慶應義塾体育会柔道部、これからも応援よろしくお願いします。

更新:2012-12-22
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳