第151回:合宿始め
昨日1月8日、今年始めの全日本合宿が終わった。今回は1月4日からの5日間で、トレーニングに重きを置いた体力強化合宿。朝6:30から陸上競技場でランニングトレーニング、10:30からウエイトトレーニングか道場トレーニング ( 重量級と軽量級が一日おきに交代 )、16:00から柔道の練習、と言ったかたち。柔道の練習も、打込や研究、部分稽古 ( 外人の組手のさばき方や組み際の技等 ) などが主で、乱取りはかなり少なかった。
前回に引き続き新体制の強化合宿では、終わった時に、何となく上手く追い込めたという充実感がある。もちろんトレーニングが楽だった、なんて訳じゃない。体のあちこちが筋肉痛で、体力的には限界なんだけど、自分で 「 よし、やってやろう !」 と意識を高く持って取り組めるのだ。
人間って、キツいことをどんどんしていくと必ず 「 もうこれ以上は出来ません 」という壁にぶち当たるもの。そんな時、我々アスリートが乗り越える方法は基本的に二つあると思っている。他人、例えば先生やコーチに強く言われ、歯を食いしばりながら何も考えずにとにかく踏ん張る方法と、自発的に 「 強くなるために○○をしっかりこなしていこう 」 と考えることで乗り越える方法。全日本柔道の旧体制と新体制との違いはまさにこれではないかと思う。
もちろん、どちらが正しいかなんて言えない。スポーツの強化において絶対に正しい、なんて方法はない。同じ選手が同時に二つの違った方法を試して同じ試合に臨むことは出来ないのだから、方法を比較することはできないし、仮にそんな方法があれば誰だってそうする。ただ、行き詰った日本柔道において、ここまでガラリと手法を変えて次に挑戦していくということが凄く面白い。結果が出るまで少し怖いけど、首脳陣を信頼して、しっかり付いて行きたい。
慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳