第54回:グレート・岳ビー

未分類
Pocket

 僕が大好きな村上春樹さんが 「 読書家として夢中になり、小説家として目標としてきたフィッツジェランドの傑作 」 と言う 『 グレート・ギャツビー 』 を、ついさっき読み終えた。あんたみたいガキに分かるん ? と親に言われながらも一気に読んだ。少しは大人になったということか。しかし
「 何とも言えない、悲しい話 」
「 心にポッカリ穴が空いたみたいな読後感 」
そんな人並みの、誰でも言えるような感想しか出てこない。つまらなかった、という訳ではない。むしろ一気に読み終えてしまうほど面白かった。だけど、ちょっと違うんだな。「 そこまで言うか ?」と感じてしまい、そんな自分から、色んなことを分かっていない臭がプンプンした。こんなこと言うと本人に怒られるかもしれないけど、春樹氏の小説の方が面白い、と思ってしまった。
 春樹氏は 「 40年以上にわたってこの小説を宝物のようにいつくしんできた 」 と言う。んでもって、その 「 理由を、少しなりとも理解して頂けたならと願 」 っているらしい。
「 申し訳ありません、正直今の僕にはちょっと理解できませんでした。」

 要するに僕が、まだまだのまだまだ未熟な読書家だということだ。実際春樹氏が書いた本以外のものをほとんど読んでないんだから当然未熟だ。もっともっと色んな本を読まないかんわけだ。とりあえず次は 『 キャッチャー・イン・ザ・ライ 』 を読み直してみようと思っている。これも春樹氏翻訳ということで以前読んだが・・・( 言わずもがな )。その次は、春樹氏翻訳つながりでいくのならもう少し読みやすいと親の勧めた 『 ロング・グッドバイ 』 とか、先輩に勧められた 『 もしドラ 』 かな。

 僕も40年間くらいかけてこの傑作と言われ続ける小説 『 グレート・ギャツビー 』 を、底の底まで理解できる人間になっていこうと思う、19歳の冬、日曜日の夕方。

2011/02/06

慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳