第59回:あと少し

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 11日の午後2時50分頃、関西合宿を終えた僕は実家のある青梅で運転していた。地震の揺れは全く感じなかった。約束通り3時、母を迎えにフィットネスクラブの駐車場に着いた。すると隣に停車している車に、ラジオを聞きながら完全にピヨッてる夫婦がいた。電話もメールも通じない。何か変だとそこでやっと気が付いた。
 家に帰ってテレビを付ければ、もうそれは悲惨な状況で、僕なんかがどうこう言えるような感じではない。17日現在、地震、津波以外にも色んな問題が山積みになっている。みんなが言うけど、とにかく今目の前にある、僕たちの出来ることをやっていくしかない。

 13日、東京武道館で全日本選手権の東京予選があった。結果は一回戦で相模高校の先輩に判定で負けた。お互いポイントなしで最後に相手に指導がいき、「 もしかしたら 」 と思ったけど、ダメだった。結局その先輩は3位になって全日本の本戦に進むことになったから、「 俺もそんなにショボいわけではない 」 と少し楽観的に思ってる。
 本当にあと少し。自分でも悪くないと思う。でもあと少しのところでいつもコケる。去年のジュニアシリーズにしても、東京学生も講道館杯も、手応えはあるんだけど最後に競り勝てない。きっと決定的な何かが俺には足りないんだと思う。精神的なことか技術的なことか、今は何となくしか分からないけど意識していくしかない。いつまでも、「 悪くなかった。あと少しのところ 」と言っているわけにはいかないのだ。一つ一つの負けを活かしきれていないことを自覚して、また一から頑張っていきたい。

慶應義塾大学 総合政策学部 藤井 岳