第146回:メキシコ学生駐在員便り~フルーツとサルサ?~
メキシコ学生駐在員便り~フルーツとサルサ?~
メキシコ人の味感覚は日本人とは全く違う。
これは面白い所であり、一部理解に苦しむ所もある。まずは何でもレモンを搾って食べることで暑いメキシコでも食べ物をさっぱりと食べようということだろう。食堂や家庭などどこにいっても半分に切ったレモンが置いてありどんどん絞って食べる。食べるだけでない。飲み物にいれることも多い。缶ビールにも飲み口に絞って少し酸っぱいビールを楽しむのもメキシコ流。郷に入っては郷に従えの精神でメキシコを楽しんで欲しいと思う。
しかしここで言っている「レモン」というのは日本でいうライムのことだ。まん丸で緑色をしたライムのことをメキシコでは「リモン」というのだ。一方で日本で言うレモンはというとライムというのだという。メキシコと日本では反対になっており面白い。
レモンと並んでメキシコの食卓に欠かせないのが「サルサ」である。これもとにかく何でもかける。メキシコの家庭でホームステイをしていて特に感じたが本当にメキシコの食卓に根付いており日本の食卓と醤油のような関係だと感じた。
また市場で見かけた光景だが試食のパイナップルなどが置いてあり(スペイン語ではピーニャという)美味しく食べようとしたら上に赤い粉末が・・・。フルーツにもサルサがかかっていた。これに関してはどうも理解が出来なくて率直にメキシコ人に日本人の疑問をぶつけてみた。
「メキシコ人がサルサ好きなのは理解するけど、これ本当の本当に美味しいと思うの?」
すると自信を持って美味しいと言われた。そのままよりもサルサかけたほうが美味しいのだとか。確かにスイカに塩ではないが甘みが引き立つ点では良いかなと思ったがやはりそのままで食べるフルーツが美味しいと思った。市場でカットフルーツを買い、何もかけなくて良いです!というとお店のおばちゃんは不思議そうにしながら、日本だとごく普通のパイナップルのカットフルーツを手渡してくれた。
慶應義塾大学 法学部政治学科 井上貴史