第95回:メキシコ日記・青空マーケット!

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メキシコのビジネスだったり経済の研究をしていると路上販売者らが多数存在していて税金を政府が捕捉しきれていないという文面によく出会う。これは文献をたくさんあたっても理解は出来るのかも知れないのだが、『百聞は一見に如かず』である。

メキシコにはたくさん路上販売者がいる。日本で路上販売者と聞くとどうだろうか。存在はするもののあまりイメージがしにくいのではないだろうか。メキシコシティにはたくさんの路上販売者が存在する。私が一番好きだったのはチュロス売りのおじさんだ。

チュロスが元々好きだったのもあるが道を歩いている時に出会ったチュロス売りのおじさんが声をかけてくる。少し興味津々だけど渡航前に路上販売の食品でお腹を壊す人もいるとかいないとか注意されていて少し気にはなったが世界あちこち訪れていて現地のものを現地の食べ方で食べないわけにはいかない。
すぐにスペイン語で1本いくらか聞ければよかったのだがズボンのポケットを探って一番少額そうなコインをおじさんに渡した。1本いくらなのかも物価の見当がつかずに渡してしまったが感覚的に1本買えないだろうなと思いながら渡したのだ。
するとおじさんは数本のチュロスを取り出して満面の笑みで渡してくれた。え、こんなに良いのかと思ったが喜んで受け取って食べてみたがそれがまた美味しい。チュロスばかり食べていたいくらいであったが路上販売者は常に移動していることもあって本当に食べたい時に出会えるかどうかは分からない。

こんな経験があったりもしたし、お土産を売っているマーケットを訪れたりもしてスペイン語の数字と買い物の交渉の表現を覚えていって駆け引きをするのも楽しい。表示された値段はあってないようなもので本当に値引いてくれる。このやり取りは日本ではあまり無い光景になっているし、買い物自体がセルフレジだったり、レジ打ちのおばちゃんともあまり話すことがないと会話をせずにイヤフォンを耳にさして音楽を聴いたままレジでの支払いを済ませる人も多かろう。

こういった小さな所に会話の余地は残っているのだなと感じました。

更新:2012-01-30
慶應義塾大学 法学部政治学科 井上貴史