第10回:慶應SFC AOの全体像
慶應SFC AOの全体像
さてさて、これまで紹介してきたように「これまでの大学という概念を破壊して生まれた」ともいえるSFCはAO入試において学生に何を求めているのか?
形式的なことはお伝えしましたが、「ペーパーテストにとらわれない多面的な人間の総合力を測る」とはどういったことなのか?「青田買い」「スポーツ推薦」「一芸入試」「実態不明」一部では(もしかすると一般的に)言われるSFC AO入試の現実の姿はどういったものなのか?ここではざっくりそれについて話していきます。
- SFC AO入試はスポーツ推薦入試ではありません。
- SFC AO入試は一芸入試でもありません。
- SFC AO入試はコネ入試なんかでもありません。
これまで、日本の受験体制は一般入試が主流でした。そして今もそうです。しかしながら、私自身も経験したのですが、受験生は日本の「受験勉強」に膨大な労力と時間を注ぐ割に、「実社会に生きる能力」を何らそれによって見合った量獲得できているとは言えません。
そして現在、同時にそういった「受験勉強で獲得した学力」のみで個々の能力が判断できるような時代ではもはやありません。もちろん、将来何かやりたい!とやる気に満ちた人は、己に負けずに受験勉強を行い、一流と呼ばれる大学へ入っていく傾向はあります。
しかしながら、名声のためだけに偏差値の高い大学を目指す者、嫌々だったけれども親に逆らえずに勉強をした者、やる気が無いけれども生まれた時の才能で楽々試験を突破する者、またそれとは逆に「好きなことには努力できるが、受験勉強というものに意義を感じずやる気がでない者」「受験勉強はしていないが別の道で一流を極めている者」こういった人たちがいるのもまた事実でしょう。
「受験勉強の結果身についた能力」のみで判断することはもうやめ、一般的に言われている「学力」は人を成す一部分でしかないと捉え、受験生のこれまでやってきたことや現在の能力、そしてこれからのビジョンを総合し個々の能力を判断していく、これがAO入試です。
大きなことを言いましたが、実際に全ての教授がこのような思いでAOを実施しているわけではありません。「一般的な学力では測れない能力をもつ者が欲しい」ぐらいにとらえている教授もたくさんいます。
しかしながら、まず知って欲しいことは、AO入試は単なるスポーツ推薦や一芸入試ではなく、人間の能力をより多面的にとらえていきたいという入試である、ということ。
さらに私は、このAO入試がもっと健全に普及すれば、高校生を初めとした日本の受験生がより実社会に即した能力を身につけていけるような教育が発展していけるのではないかとも期待しています。
実際にAO入試で総合的かつ多面的な能力は測れているのか?
実際に書類と面接だけで個人の総合的かつ多面的な能力は測れているのか、「AO入試で入ってきた人は学力が低くて困る」とよく聞くがどうなのか、という話をよく聞きます。
河合塾の調査によると、「AO合格者の方が優秀である」と一般的には言えるようです。そしてそれはSFCにもあてはまると何人かの教授が述べています。
けれども、AO合格者であるのに受験当時の理念を失って怠ける者、一般合格者から起業したり、SFC STUDENT AWARD(社会的に優秀なことを行ったSFC生を称える賞)を獲得したりする者もたくさんいます。ですので「AO合格者だから~」「一般合格者だから~}という総括的な考えはあまりおすすめしません。
けれども「学力にとらわれない総合的な人間力を測ることにより、実際に優秀なAO合格者を多数生み出している」ということは言えます。ただ残念ながら全ての大学において「AO合格者が優秀である」わけではありません。一部ではほとんど少子化対策となっており、教授たちが「AO合格者は本当に駄目」と嘆いている大学もあります。
しかしだからと言って「AO入試が駄目」と結論づけるのは間違っています。少子化によって今まで大学進学をしなかったものが、社会的にも必要なレベルの勉強さえもせずにAOで大学に入っていく状況が生まれている可能性もあるからです。高卒や高認程度ではなく、社会的に必要なレベルは学力を身につけたものが大学へ入る教育政策、或いは個々の大学の入試制度がとられるべきであり、「AOが悪い」というのは少しおかしいのではないでしょうか?
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