第13回:SFCが求める学生像2
前回は「具体的にはSFC AO入試は受験生に何を求めているのか?」についてヒントとなる文献等を漁りましたが、今回は私の経験からお話しようと思います。
SFC AO入試(に限らず他のAO入試にも共通するかもしれませんが・・・。)を突破するのに必要な要素は大きく分けて5つあります。今回はその中の2つについて述べます。
1.過去の実績
過去の実績とは「~大会全国○位」「~コンクール最優秀賞受賞」といった大会、イベント系の成績のものを指します。志望理由書や活動報告書等にのせていくものです。それらの実績は本人のそれまでの努力を裏付け、出願書類全般にわたって「箔をつける」ものとなるでしょう。また、所定のコンテストにおいて決められた以上の成績を収めればC方式(1次選考免除及び面接15分間のみ)での出願が可能となります。C方式は「わりと受かり易い」と言われていますし、1次選考免除のため負担も少なく、非常にお得であるといえます。
しかしながらSFC AO入試は決して実績だけで評価する入試ではありませんから、実績だけでは到底受かることは不可能であるし、たとえ目に余る実績が無くとも合格することは充分可能です。C方式も1次書類免除といえども志望理由書の提出及び面接はA,B方式同様にあることから、たとえ成績を収めていたとしても全く油断は出来ません。これについては2でもう少し発展させて述べます。
2.過去の活動
過去の実績とかぶる部分もありますが、これは「野球部で毎年1回戦敗退であったチームを3回戦へ進めた」「生徒会会長であった」「NPOの設立に加わった」といった具体的な“成績”としては残らない活動を指します。志望理由書、活動報告書に加えて面接で述べていくものです。もちろん、実績を残すまでの努力も「活動」ですので実績がある人は、1とあわせてアピールすることができるでしょう。
「世間的に立派と言われる成績を残さなければ活動をアピールしても意味がないのではないか?」と思われる方はいませんか?繰り返しになりますが、SFC AO入試に対する誤解の一つに「華々しい実績がないと駄目」というものがあります。しかしながらそれは大きな間違いです。“コンピテンシー面接”という言葉はご存知でしょうか?従来型の「これについてはどう思うか?」「あなたのアピールポイントを言え」といった面接ではなく、「あなたが具体的にこれまでどのように行動してきたか」を評価する面接方法です。
これは、最終的な結果が成功、失敗のどちらであれ、その経験を振り返り、整理し、体系づけて、そこから将来に向けての学習ができているかということである。したがって、サークル活動に限らず、勉強一筋であった人でも、そこで必要とされるコンピテンシーを学習していれば、あるいは学習する力を持っていれば、採用された後も職務に必要なコンピテンシーを認識し、それを獲得、発揮する可能性が高い。
(人物試験技法研究会『人物試験におけるコンピテンシーと『構造化』の導入』より)
以上はhttp://www.jinji.go.jp/saiyo/jhoukoku.pdfからの引用でした。SFCの面接に対する共通した感想の一つに、「面接の対策はあまり意味がなかった。」「自分のテーマ以外についてはふれられなかった」というものがあります。おそらくそれは、多少なりともSFCはこのコンピテンシー面接を導入しているけれども、高校や塾では従来型の面接(「これについてはどう思うか」「あなたのアピールポイントは何か」を中心に聞く面接)対策を受ける人がまだまだ多いためであると考えられます。話が少し飛びましたが、つまり、SFC AO入試においても
「たとえかたちとなる成績をおさめていなくとも、たとえどのようなことにおいてであっても将来の目標に向かって正しい戦略をたて、実行しているならば、その行為自体が評価される。」
ということがいえ、華々しい実績が残せられているかどうかは二の次であるといえます。
慶應SFCのあるここ湘南台にも桜が咲き始めました。どんな形であれ、またこれから始まるそれぞれの一年を力強く、そして限りなく優しく迎えてくれているようです。
この桜が散り、来年また一つ成長して綺麗な花を咲かせる頃、ここを読んでくれている受験生がSFC生としてこの地にやってくることを期待しています。
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