第15回:SFCが求める学生像4
今回はSFCが求める学生像の4つめです。
4.SFCでやりたいこと
SFCは1~3で述べた、“それまで及び今のあなた”のみならず、“未来のあなた”をも評価対象とします。それらは志望理由書に描いたり、面接の中で述べるものですが、その中でまず大切なのが「SFCで何をやりたいのか」ということ。以前の記事よりもう一度冨田教授の言葉を引用させていただきます。
「研究会」(研究プロジェクト)と「卒業プロジェクト」(卒業制作)はSFCにおいて最も重要な科目です。
SFCのカリキュラムは、「研究会」が中心であり、大学時代の研究の集大成である「卒業プロジェクト」を目指して勉強・研究するように設計されています。そして様々な授業科目はそれを直接的・間接的にサポートするために用意されているのです。君たちは研究プロジェクトを行うためにSFCに入学したと言っても過言ではありません。
2007年4月入学生から卒業プロジェクトが必修になりました。それ以前に入学した学生は卒業プロジェクトは必修にはなっていませんが、事実上必修だとお考えください。卒業プロジェクトをやらずに卒業するとあとで必ず後悔します。「君は大学時代、何が専門でしたか」という質問に答えられなくなってしまうからです。ひとつの専門分野を4年間かけてマスターすることを目的とした通常の学部と違い、SFCでは「卒業プロジェクト」のテーマが君の専門なのです。(SFC GUIDE2007 「履修申告する前にぜひ読んで欲しいこと」より)
SFCはこのように、自分が自由に設定したテーマに対して学問をカスタマイズし、卒業プロジェクトではそれを完成させることを目的とした学部です。
そこでの成果はSFCのみならず実社会へ貢献されていくものですから、「SFCで何をしたいのか?」ということは非常に大切となってきます。
SFC AO入試を受ける人の中に「まぁスポーツで全国○位だし、面接や小論はちょいっとやればいいだろう」と気楽に考えている人がもしいるとするならばそれは大きな誤りです。この「SFCで何がやりたいのか」ということは過去、現在の自分と同様もしくはそれ以上重要なことであり、また、志望理由書でそのことが充分に書けていない人は「初めから論外」とされてしまいます。
さらに、最難関とも言われる慶應SFC AO入試ともなると受験生によって志望理由書等にあらわされる「SFCで何をやりたいのか」は非常にハイレベルなものであり、一般的なAO対策本で示されているような「模範文」のようなものでは到底1次書類審査突破することは不可能です。ただそれは決して大学レベルの専門的な知識を蓄えた上で志望理由書を書かなければならない、ということではなく、
「自らの経験などから新たな問題を発見する」
「現在行われていることに対して差別化を加える」
といった興味深い内容が求められます。詳しくはまた志望理由書などの記事で述べます。
ちなみにSFCという学部はただ単に「学際的」「横断的に学べる」といったことにとどまらず、これまでの個別学部の講義中心の授業体制、純血主義で学生と遠い教授陣、自由のきかないカリキュラムに疑問をもち、改めようとしている学部です。
ですので、たとえ「将来は弁護士など法律家になりたい!」と通常ならば法学部が適しているような志望理由でも、
「私は従来のような法学部の中で法学を学ぶのではなく、創造的なカリキュラムを導入し、多種多様な個性をもった人が集まるこのSFCの中で法学を学びたい。けれども法学の専門性を高めるためにSFCとは別にロースクールに通うことも考えている。また、様々な分野や考え方にふれる中で、『罪なき人を救いたい』という私の最終目標を達成する職業が法律家でないと判断したならば、積極的な進路変更も考えている。」
といったようにSFCの個性と結びつけて志望理由書等に表していけばOKです。そもそもこの世に一つの学問分野のみで対処できる職業及び問題はないから、基本的に誰もがSFCを志望する理由をもっているのでしょうけど・・。
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