第49回:小小論2

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現在は面接当日の作文は実施されていません。

「小小論」の続きです。

今回から、「文章例」もいくつか挙げていきます。例えば発展途上国への支援を今の専門としている人、次のような文章が考えられます。  

「私は英語教育についてはよく知らないのではっきりと賛成、反対を断言することは差し控えたいが、私のテーマである発展途上国への支援という観点から見ると、是非とも賛成したい。例え英語圏でなくとも、海外での活動の際には英語が使われることがこの世界では多い。私は高校生の時から積極的に海外での支援活動に参加していたが、自身の英語能力の低さは自分の活動範囲を多少なりとも狭めていた。特に私を悩ませたのはリスニングであったが、なるべく早い段階から英語に慣れていたほうがリスニング能力は伸び易いと聞く。英語に対する日本人の障壁を一つでも取り払い、学生の段階からもっと海外へ活動領域を広げていく人を増やしていくためにも、是非とも小学校の段階から慣れる程度に英語を学ぶことはよいことであると感じる。」  

逆に、多少なりとも「小学生のうちから慣れていたほうがいい」といった“正論”を知っている人は、あえてそれへの反対を試みてもよいと思われます。  

「小学校教育における英語の導入は日本人の英語力の低さを英語教育開始時期の遅さのせいにし『小学生のうちからある程度は英語への抵抗をなくしておいたほうがよい』といった考えによって始まったものであると聞く。が、残念ながら私は反対の立場をとらせてもらう。

『中学校からでは遅い!』というが、例え中学校から英語教育を始めた人であっても大学までにペラペラしゃべられるようになる日本人もいるし、現に英語を使いこなせる日本人は決して世界的に少ない数字ではない。むしろ問題は中学校の英語教育において英語を学ぶ魅力を学生に充分に伝え切れていない今の教育の現状が悪いのであって、改善すべきはそこである。そうでなければ次は『世界史や古典の小学校教育における導入だ』などといった話にもなりかねない。以上の理由から私は小学校教育における英語の導入に反対する。」  

もう少し長い小論文ならばこれに対する反論を挙げて、さらにそれに言い返す、といった作業も必要ですが小小論においてはこの程度で大丈夫でしょう。  小小論も含め、小論文を書く時に留意する点は、

・最終的な目標

まず、“合格”です。一般入試においても、AO入試においても、小論文というものは「小論文能力」を見ているにすぎません。正直に思っていることを書いて落ちる・・・というのであれば、嘘でもいいので、小論文能力を高く見せられる方を選んでください(ただ、心から感じていることを書いた方が、結果的に小論文の能力を高く見せられるというケースもあります)。

・論点を明確に

何が議論されているのか?具体的に定まっていない時は、自ら論点を設定する必要があります。

・意見

自分が何を考えているか?にあたります。

・論拠

意見の客観的な理由となります。

・反対意見

客観的な分析をすると「必ずしも自分が正しいわけではない」ということや「自分の知識ではまだ穴がある」という部分に気がつくと思われます。そういった場合は上記の「私は英語教育についてはよく知らないのではっきりと賛成、反対を断言することは差し控えたいが」といった表現のように、文章の中で留意する必要があります。次回は別のケースに移ります。


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