第77回:やりたいことの見つけ方(5)~終わりに
前回の続きです。
先週まで研究について説明してきました。かなりおおざっぱですが、必要なことは以上です。私はまだ研究のプロではないので、きっちり知りたい人はこの内容を100%信頼せず、図書館か本屋で、実際に一線で活躍している研究者が書いた「研究の進め方」なる本を読んでみてください。また、インタビューやアンケートなど研究手法に関しても個別にノウハウ本があるので、読んでみるとよいと思います。
おそらく、初めは自らの問題意識から研究したいことを設定していくと思いますが、実際には具体的なテーマや手法、先行研究を調べていく中で、限界を知り、一体何をやればいいのか分からなくなることが多々あると思います。問題意識から必ずしも研究テーマを設定していく必要はなく、例えばインタビューを使ってされていない研究はないか?や、この分野の研究の中でまだされていないものはないか?などと考え、後からその研究の意義や解決される問題を考えていくのも問題ありません。実際研究を進めると、当初明らかにしたいこととは別のことが明らかになり、結果として研究の意義も変わってしまったということはままあるようです。
最後に、AO入試において大学で研究がやりたいと言う場合、実際にはどこまで考えておく必要があるのか?ですが、上に挙げていった5つをしっかりおさえ、さらに自分で少し研究を進めて、分かったことをまとめ、これからどうするかを書類として提出できたら・・・というのが本当のところの理想です。
ただ、高校生の間から研究活動を展開してきた人を除いて、合格者の中でもそこまでしている人は稀であり、問題意識と、漠然とした研究テーマを述べる学生がほとんどです。逆に言えば、これまでの実績があまりない人は、出願までに自ら研究を進めてみるとそれが実績となり評価されるかもしれません。
私はAO入試の体験談を合格者や不合格者へインタビューし、その中で「SFC AOに限らず、これから受験へ向かう人へのメッセージをお願いします」と聞いているのですが、先日「あなただったらなんて言う??」と聞き返されました。しばらく答えられず、自分はいつも意地悪な質問してるんだな・・・と実感しました。しばらく考えた結果思うことは、大学は遊ぶところ、というイメージがあるかもしれませんが、実際遊ぶといっても限界がある。毎日サークルがあるわけではないし、サークルが必ずしも楽しいわけでもない。日本の異常な教育システムの中で今まで苦しんできた分、遊ぶのももちろん大前提として大切ですが、やはり社会と接点をもちながら、何か一つ自分で成し遂げていくものがあるととても毎日が充実してくる。それは直接的あるいは間接的に将来につながるものであればよいだろうし、たとえつながらなくても何かしらの糧になれば良い。最近ではインターンシップといった大学生から企業で働く体験を行うものが流行っており、意志ある選択なら良いのですが、どこかインターンシップを行う人は「就職活動のため」という色が隠せません。そうではなく、大きなリスクを負える、ある程度の失敗を許してもらえる大学生の立場であるならば、自ら新しい価値を社会に生み出していく、その過程で新しい社会と自分との関係をつくっていくような何かダイナミックなことを是非してほしい、そしてそれができると感じる大学を是非選んでほしい。長くなりましたが、そういうことを感じました。
大学の先生は私が数回にわたって語ってきた「研究」というものを重視しがちですが、別に将来にあまりつながらず、やっていてパッションがわきそうにならないなら、他の自由なことをしてください。4年間かけて一つの小説を練り上げて書いてみてもいいし、SFCは研究会として小説執筆の場所も用意されてしまっています。
やりたいことの見つけ方。21の私がまだまだ語れることでは決してない、でも今回伝えたいことがあり、書かせてもらいました。また再び伝えたいなと思うこと、やっぱり訂正したいなと感じたことがあったならば、さらなる記事を書いていくことと思います。
(ちなみに今回で記念すべき77回。一人で祝っております。)
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