第101回:ソーシャル・リーディングII

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 SNSが今のように主流になる前は、新聞や雑誌に載っている書評だったり、友人からの口コミで作品を探して読んでいましたが、現在はSNS、アマゾンなどにのっている読者の書評、そして「本の雑誌」などの一般読者向けの書評雑誌と様々な方法で本を探すことができます。特にmixiは、様々な年齢層の人のリアルな口コミを聞くことができ、新しい作家開拓や本のジャンル開拓にうってつけです。

 キンドルなどの書籍の電子化が騒がれ、書籍の売り上げが減少していることも注目されています。本屋や出版社も必死になって、なるべく読者に本を購入してもらおうと趣向を凝らした企画が目立ちます。最近ではキンドルなどの電子書籍に新しい機能が加わり、読んでいるページにコメントを書き加えることができるようになり、そのコメントが同じ作品を読んでいる他の読者も見ることができるそうです。「私はこの文章をこう解釈した」などと見ず知らずの人と共有することができます。今まで、読書と言うと個人的なもの、一人でその作品の世界に浸るもの、という読書方法が主流でしたが、この先このような書籍の電子化とウェブサイトの充実化により、本を読んでいる最中にも他人と交流ができる、という新たな読書方法(ソーシャル・リーディング)へと変わってきているようです。この電子化の流れを受けて、読者はこの先どういった反応を示していくのか。気になるところです

早稲田大学 国際教養学部(SILS) 小林 綾