第105回:大地震

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 こんにちは。東北大地震のことがカナダでも大きな話題になっています。

 地震、津波、原子力発電の爆発すべてが何度もリピートされて報道されていました。UBCでも他のカナダの大学でも、今全力で日本人と日本に関連のある人がボランティアをして、寄付金を募っています。また現状を知ってもらうということも念頭において、写真やニュースのビジュアル、そしてパンフレットを配布しています。多くの方が素通りしていきますが、それと同じくらい多くの方が興味を持ってブースで止まって、話に耳を傾け、コインから札まで様々な額を寄付してくださいます。横目で流して歩いていた方が、過ぎたと思ったら、突然立ち止まって財布から「今渡せる額がこれしかないんだけど……」と申し訳なさそうに募金箱に入れてくださったり、話しかける前からブースに近寄り、「募金箱はどこですか」と尋ねてくれたり、とUBCの学生とスタッフの優しさに触れる日々です。

 UBCには日本人学生が多く、日本人以外の人でも日本人の友達がいるから、と関心を寄せてくれます。ニュースでも何度も流れています。私は知らなかったのですが、フランス人の友人が「こちらで報道される日本に関するニュースはまるでショーやドキュメンタリーのようだ」と憤りを見せていました。彼が見ていた番組では、BGMにロマンチックな曲が流れ、津波や地震の際の映像が流れていたそうです。「いくら何でもデリカシーのない報道で腹が立った」ようでした。彼のように日本人の人が大変なときにあんな放送の仕方はない、と怒っている人は他にもいましたし、また逆に日本のニュースを何度も流してくれるから、カナダ国民の関心が高まっている、肯定的な見方をしている人もいます。

 バンクーバーにいると、実際の地震を体験していないため、いまいち実感がわきにくいと言うのが本音です。テレビで見る火事、津波、原発爆発もすべて「これが本当に日本で起きているのか」と狐につままれたような感覚です。でも計画停電の話を聞くと、あぁこちらでもできる限りのことをしないとな、と思い募金活動にも精が出ます。またJapan Nightというフリーマーケットやフリーフードで、少しでも多くの人に日本の状況を知ってもらう企画も立ち上がっています。UBCでできる限りのことを日本人としてできたら、と思っています。

早稲田大学 国際教養学部(SILS) 小林 綾