第195回:白黒はっきり
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こんにちは。コートやマフラーが手放せなくなってきましたね。
今回は最近気になる言葉の傾向についてです。クリスマスが近くなるにつれて、私の周りでは「リア充」という言葉が今まで以上に使われるようになりました。この「リア充」という言葉は、ごくごく最近の言葉です。ネットスラングとして誕生したものですが、リアルな世界(=現実世界)が充実しているからリア充となったようです。バーチャルではなく、現実の世界。言葉が誕生した当時の意味とは変遷して、今では主に恋人がいることを示唆しているようです。新たな言葉が生まれるということは、新たな概念が生まれるということになります。この言葉によって、人々が「リア充」かそうでないかに分類されていきます。そしてリア充でない人達は、「非リア充」という言葉で表されるようになりました。
言葉によってどんどん世界が区切られていくと、今度はなぜかその言葉と概念に白黒をつけ始めます。例えば、リア充は良いことで非リア充はあまり良くないこと、というように。本当にそれが良いか悪いかは置いておいて、とりあえずそのように使っていきます。同じように感じたのが「KY」です。空気が読めないのは日本社会においては、不利に働くことが多いかもしれませんが、海外では必ずしもそうとは限りません。でもKY=悪いこと、という考えが広まっているように感じます。それに縛られすぎてしまうと、何か発言することに臆病になってしまうんじゃないかなと思いました。
良いこと、悪いこととはっきりさせずに、もっと灰色のままにしていいものがたくさんある気が最近しました。私自身よく流されて言葉を使ってしまうので、反省です。
更新:2012-12-01
早稲田大学 国際教養学部(SILS) 小林 綾
早稲田大学 国際教養学部(SILS) 小林 綾