第36回:日本語ボランティア(3)

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 こんにちは。雨が降ったり晴れたり…何だか良くわからない天気が続いています。最近は新型インフルエンザ以外にも季節性インフルや風邪なども流行っているそうなので、気をつけましょうね。

 さて、SILS徒然コラム第36回目は、日本語ボランティアの続きです。どんな内容だったかを紹介したいと思います。まず、春学期に受けていた授業について。私が、春学期に参加していたクラスは上級者向けだったので、留学生は日本語がほぼ不自由なく使いこなせます。「昨日、こんなことあって本当びびったわ」といったナチュラルな日本語が飛び交い…もはやボランティアは必要ないのでは?と思うほどでした。プレゼンテーションなどの準備ではボランティア学生が手伝うこともあるのですが、どちらかというと留学生と一緒に授業に参加する体系でした。授業内容は主にコミュニケーションについてだったので、日本語を習うというよりは、コミュニケーション論を学んでいる感覚です。留学生たちとともに、授業中に疑問や自分の意見を述べることが多かったです。 

 何より、びっくりしたのが、留学生はまず敬語から教わるそうで、「これを買います」が理解できても「これ買うわ」と言った口語的な文章は理解するのに時間がかかるそうです。私は今まで、短い文章=簡単で理解しやすいと思っていたので、なるべく敬語は避けていたのですが、敬語のほうが理解できたんですね。ちょっと驚きでした。

 それにしても、丁寧語や謙譲語など日本人でも間違える内容から学ぶのって…。日本語を学ぶのがいやになったりしないのかな、と疑問に思いました。それに英語と違ってひらがな、カタカナ、漢字の三種類の文字表記を覚えるのは大変だと思います。

 あるとき、留学生に日本人はどんなときにひらでがな、カタカナを使うのか区別がつかない。また、漢字があるのにひらがなで表記するなど、どう使い分けているのか、と聞かれたことがありました。あまり疑問に思ったことがなかったのですが、言われてみれば、確かに。どう使い分けているのだろう?と謎です。私なりに考え、ひらがな、カタカナ、漢字それぞれに特有の雰囲気があり、ひらがなで書くと優しい、もしくは子供っぽい印象に、カタカナで書くと外来語かロボットが話しているような機械的な印象に、漢字で書くと大人っぽく、また文章が読みやすくなる(単語間の切れ目がわかりやすくなる)という効果があるのではないか、と思いそう答えました。こういう文字の持つ雰囲気を使い分けている言語って、世界的に珍しいんじゃないのかな、と思います。

 次回は、秋学期の日本語ボランティアについて紹介したいと思います。

早稲田大学 国際教養学部(SILS) 小林 綾