第55回:趣味

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 こんにちは。もうすぐ黄金週間!!新しい授業や人との出会いで楽しい四月だったけれど、少し疲れもたまっている時期です。なんとも絶妙なタイミングでの休暇ですよね。ありがたや、ありがたや。

 さて、SILS徒然コラム第55回目の今回は、趣味についてです。以前読んだ本の作者に、アンティーク雑貨を集めるのが趣味だという作家がいました。堀江敏幸さんという作家兼早稲田大学の教授です。彼のエッセイ集の一つに『もののはずみ』という本があります。古物市やアンティークショップで買った物にまつわるエピソードが詰まった素敵な本です。私は今まで、そういった古いものが好きではありませんでした。誰が使ったかわからないものをわざわざ買う気にはならないなぁ、と思っていました。ところが、この作家は物を見ながら、これはいつどこで製造され、どんな人によって使用されていたのだろう?と、あれこれ考えをめぐらせるのが楽しいとエッセイに書いていました。

 同じ時期に読んでいた三浦しをんさんのエッセイにも、古本の楽しみの一つは、所有していた人について空想することだ、とありました。古本市で買ったある詩集の一説に線が引かれており、その線が引かれた箇所を読みながら、なぜそこに線を引いたのか空想していたそうです。

 この言葉は、まさに目から鱗でした。知らない人が使っていたからイヤ、ではなく、知らない人が使っていたからこそ面白い、という考え自体が新鮮でした。本は自分が知らない世界を広げてくれますよね。古本やアンティークグッズを見る目が変わりました。こういった発見があるから本を読むのは楽しい。趣味が多いほど、人生が豊かになる気がします。

 それにしても、ゴールデンウィーク楽しみだなぁ。では、また来週!

早稲田大学 国際教養学部(SILS) 小林 綾