第85回:Remembrance Day

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 こんにちは。ハロウィーンも終わり11月に入るとだいぶ冷え込んできました。先週の日曜にとうとうサマータイムも終わり時計を一時間早めました。

 さて、先週からコートや帽子に布製の赤い花のブローチをつけている人をよく見かけるようになりました。友人に何のためか訊ねたところ、第一次世界大戦の終戦記念日にあたるremembrance dayのためにつけていると言っていました。このremembrance dayは日本の終戦記念日に当たるもので、戦争で亡くなった兵士たちの追悼の意を込めて赤い花(ポピー)のブローチを着けるそうです。この赤い花のブローチよく見るとほとんどの人が同じものをつけています。どこかで配られているのかなーと思っていると、街中でスコットランドの衣装に身をつつんだ人やボーイスカウト、ガールスカウトの人達が街中に立って赤い花を配っていました。配るというよりも募金を集めているという方が正しいかもしれません。つまり、このポピーは赤い羽募金のように兵士への追悼のため募金しました、という証です。ポピーである理由はいくつかあるようですが、主な説としては戦時中に亡くなった医師が書いたフランダース地方に咲くポピーの花畑がもととなっているようです。

 このブローチを大学内や街中、TVキャスターまでもがほぼ全員が着けている様子には驚きました。日本で終戦記念日に日本人の多くが追悼の意を込めて何かをする、ということをしているのでしょうか。一週間も二週間も前から、remembrance dayを意識して行動をしているでしょうか。この赤い花のブローチは、私たちカナダ人以外の人達の目をひき、remembrance dayとは何か、カナダはどんな歴史を辿ってきたのかに目を向けさせるだけではなく、いかにカナダ市民が戦争で亡くなった兵士たちを悼んでいるのかの表れでもあります。カナダでは街の端々にこのような歴史の断片が見られます。それがカナダの街散策の楽しみの一つです。では、また来週。

早稲田大学 国際教養学部(SILS) 小林 綾