第95回:お茶目なアメリカ/カナダ人

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 こんにちは。バンクーバーでは晴れたり雪が降ったり。気まぐれな天気にで困らされています。

 先週末、British Columbia州在住の友人とシアトルへ行ってきました。アメリカは入国手続きが厳しいイメージがあったので、ドキドキしていたのですが入国審査で思いがけず面白い体験をしました。

 私の担当だった人は高校生の時に日本に柔道を習いに留学していたそうで、嬉しそうに「これはなんていう技でしょう?」と投げるマネをしながらクイズを出してきました。空手も柔道も剣道もろくに知らない私には全て同じ技に見え、最初は適当に「背負い投げ?」と答えていたのですが、全て違う答えで「日本人なら柔道知っとかなきゃ」と呆れられてしまいました。

 パスポートチェックと税関審査のチェック後は、入国目的についての質問。真面目な顔で「入国目的は?」と聞かれたので「観光」と答えると、「シアトルに知り合いがいるのか?彼氏か?」「そうか、知り合いはいないのか。じゃあなぜ行くんだ?」と矢継ぎ早に質問されました。友人と楽しく観光旅行だよ、と思っていると、違うところにいた審査官が「きっと彼氏探しの旅だ。あっはっは。」「あぁ、なぁーるほど。あっはっは。」結局、私は入国目的を答える際に、観光という一単語を言ったのみで終了しました。

 一方、友人は爪を綺麗に飾っていて、それを見た審査官が「おぉー爪にいろいろついてるね。Lady Gagaみたいだ。」と言っていました。一事が万事こんな調子で入国審査は終了。長い時間がかかったものの聞かれたことは柔道クイズと入国目的のみ。それでも、顔写真と指紋はばっちり取られました。厳しいんだか緩いんだか。

 カナダもそうですが、バスドライバーさんやスチュワーデス、お店の人は気軽に客と世間話をしています。日本の店のように「お客様は神様」といった様子は全くありません。大晦日に乗ったバスドライバーは私が日本人だとわかった瞬間、運転しながら「昔日本語習ってたから知ってるよ~」と言い、

 「ツギハDiscovery Streetデス。」

 と、バスのアナウンスを日本語でしていました。わかるのは私と友人のみなのに……。現地の人はアナウンスがわからず、さぞ困ったでしょう。さらに終点の大学のバスループで日本語を習っていたこと、昔の自分の恋愛話やら信じがたい偶然の出会いについてなどを話してくれて、最後に「世界は想像しているより小さいんだ。」とディズニーの歌のようなことを言っていました。なんとも自由な雰囲気で、現地の(学生以外の)人とのコミュニケーションでほっこりとした暖かい気分になりました。こういう経験をすると大変なことがっても、カナダって良いなと思います。

早稲田大学 国際教養学部(SILS) 小林 綾