娘と見た“桜”の合格画面──仕事で芽生えた問いを学術へ!57歳の挑戦は早稲田で続く!
「明確な答えを持って大学に入学することは誇りにしてよい。自分のテーマを見つけていることを大事にしてほしいです。そこを深められるのが総合型選抜の良さだと思います。」
M.M.さん
早稲田大学人間科学部人間環境科学科 通信教育課程 一般選抜 合格

合格おめでとうございます!合格した今の気持ちを教えてください。
結果は家族で確認しました。娘がとても応援してくれていたので、一緒に見られたことが嬉しかったです。
面接で失敗したと思っていたので、正直合格はかなり厳しいのではないかと感じていました。ところが、サイトを開いた瞬間、画面に桜が咲いていて、思わず手を叩いて「やった!合格だ!」と喜びました。力が入りすぎたのか、あとで手が痛くてじんじんしたほどです。
そこから1週間ほど経って、徐々に実感が湧いてきました。同時に緊張も強くなっています。仕事を長く続けてきた中で、定年したらこんな生活だろうという未来がある程度想像できていたのですが、この選択によってそれが変わる。今から大学に行くというのは、今後の人生における重要な岐路だという緊張感があります。
早稲田大学人間科学部人間環境科学科を志望したきっかけを教えてください。
私自身、事情があって大学に進学しなかった経験があり、大学への憧れはずっとありました。娘に「じゃあ大学行ってみたら?」と言われたことが、背中を押してくれました。
当初は他大学も検討しましたが、興味関心の分野から「人間環境科学」だと感じたこと、そして通信課程を調べる中で、通信でありながら通学が必要な学校が意外に多いことを知り、通学を要しない点も早稲田のこの課程の魅力だと気が付きました。数年前から志望は固まりつつあり、定年が近づいて「これからの人生」を考えようと思ったタイミングと重なったことも、挑戦を後押しする理由として大きかったと思います。
これまでどのようなことに取り組んできましたか?
職業は企業の宣伝を担当しています。仕事を続ける中で、企業の宣伝が難しさに直面しているように感じる瞬間が増えました。具体的には、SNSでバズればそれでよいのか、もっと届けるべきメッセージがあるのではないか、商業主義のままでよいのか、と疑問を持つようになりました。
また、企業コミュニケーションの中にESGの観点が取り入れられている例が少ないことにも気づいていました。テーマ性の大きい広告で表彰を受けているものもありますが、そうしたテーマを“ネタ”として扱っているように見えることもありました。よりよい広告とは何かを、きちんと考えたいと思うようになりました。
出願書類はいつ頃からどのように準備しましたか?
入塾したのは5月頃です。最初は「何でもいいから書いてみよう」と言われ、当初から抱えていた「地域性やESGを考慮したコミュニケーションがあってもよいのではないか」という問題意識を書き出しました。
すると最初のサポートの段階で、「この文体では厳しい」とはっきり言われ、気が引き締まりました。論文の書き方の本を読んで書き方を学び直し、プロから繰り返し言われた「気持ちじゃなくて事実」という言葉を大事に書き直しを進めました。そこで初めて、アカデミックライティングとはこういうことか、と腑に落ちました。
また、メンターとのやり取りはとにかく楽しかったです。対話そのものが楽しく、テーマだけでなく周辺の話も含めて視野が広がっていく感覚がありました。テーマが少しずつ研ぎ澄まされ、書類が形になっていくにつれて「自分が本当にやりたかったこと」に気づいていく。サポートの後はいつも「いいことに気づいた」という気持ちで、思わずにやにやしながら帰っていました。そうしていくうちに書類が仕上がりました。
本番当日はいかがでしたか?
書類には自信があり、想定問答もたくさん作って準備していました。これまでの人生で話す機会も多かったので、緊張しないだろうと思っていたのですが、結果的には人生最大の金縛りのような状態になりました。最初は雰囲気に飲まれずにいられたのに、面接会場の扉を開けた瞬間にだめになってしまいました。
面接官は3人で、「志望理由を自分の経験と照らし合わせて述べて」と言われ、しどろもどろになりました。面接官ごとに役割があるようにも感じ、厳しめの質問をする方が一人、他は優しめという印象でした。「学習時間は捻出できるか」「卒業後は何をしたいか」など、質問自体は想定外ばかりではありませんでした。
ただ、想定問答は文章にまとめていただけで、声に出して練習していなかったため、口頭で整理して話すのがとても難しかったです。緊張の最中でしたが、プロから「会社の面接とは違って人間性も見られるし、熱意勝負でもある」と言われていたことを思い出し、関連文献まで読んだことを何とか伝えました。熱意は伝わったと思う一方で、手応えは5割ほどでした。終わった後は身体が震えました。
入学後の抱負を教えてください。
とにかく楽しみで、いろいろなことに挑戦したいです。一方で必修の英語とデータリテラシーは少し不安があり、どう勉強していこうか考えています。
動かないと落ち着かない性格なので英語の本を買って勉強してみたのですが、あまり楽しめず「さて困ったぞ」という感じです。何とか自分に合うやり方を見つけて頑張りたいです。不安と緊張と楽しみが混ざった状態です。
全体を振り返って、その他に洋々の良かった点があれば教えてください。
大きく二つあります。
一つ目はメンターの存在です。落ちたとしても「ここまで頑張れたならいい」と思えるくらい、過程に納得がありましたし、その過程に伴走してくれた心強さは大きかったです。ひとりではできなかったと思います。テーマを研ぎ澄ませてくれたことにも感謝しています。大学生がメンターをしているのだと思いますが、責任感があり、この大事な時期に寄り添ってもらえるのは一生忘れられない出会いだと感じました。
二つ目はサードパーティーチェックです。どんな人が書いているのか分からない“試合”のような気持ちで臨んでいましたが、コメントには書き手の背景がにじむような個性があり、とても面白かったです。コメント自体のクリティカルシンキングが参考になる部分も多く、この仕組みは洋々の特色だと思います。どの情報を取り入れるかは、メンターと相談しながら決めました。毎回「何を言われるのだろう」とわくわくしていました。
今後受験する方へのアドバイスをお願いします。
面接のコマを取らなかったことを本当に後悔しています。面接もきちんと準備したほうがよいです。文章にまとめるだけでなく、声に出して練習することをおすすめします。
また、メンターに言われて印象に残っている言葉があります。「自分は推薦入試で入学したことに自信を持っている」という言葉です。明確な答えを持って大学に入学することは誇りにしてよい。自分のテーマを見つけていることを大事にしてほしいです。そこを深められるのが総合型選抜の良さだと思います。
ありがとうございました。M.M.さんの今後のご活躍を、洋々一同心よりお祈り申し上げます。


