洋々卒業生now! ~総合型選抜による大学進学と、その後のストーリー
総合型選抜は、志望動機や大学で学びたいことを真剣勝負で問われる入試。受験生は準備期間を通して、自分の将来や大学でしたいこと、理想の大学生活とはどのようなものか?という問いにとことん向き合うことになります。しかし、大学への入学はあくまでも「スタート」。大切なのは、入学してから充実したキャンパスライフをおくることです。
「総合型選抜で入った先輩たちって、本当に理想のキャンパスライフを過ごせているの?」
「志望理由書で書いたことって、本当に学生生活で実現できるの?」
そんな疑問にお答えするべく、総合型選抜で大学に合格した洋々卒業生を取材しました!
今回取材を受けてくださったのは、慶應義塾大学法学部政治学科卒の坂田宙輝さん。2021年に同大学を卒業し、現在は総合商社に勤務されています。在学時代には洋々でメンターを4年間務め、様々な受験生を合格に導いてきました。
AO入試に、「輝かしい経歴は必要ない」と喝破する坂田さん。彼の受験生時代や大学時代について伺いました。
慶應義塾大学法学部政治学科 卒業 (2017~2021)
福井県立藤島高等学校 卒業
総合商社 勤務
―本日はよろしくお願いします!現在は総合商社にお勤めとのことですが、慶應法学部時代はどのような大学生活を送られていたのでしょうか?
大学では、趣味のサーフィンをやりながら、学業とインターンを両立していました。
1年生の頃から、SEO関連のメディアを運営する企業でインターンを開始し、3年目にはさらにその縁で別のスタートアップ企業から声が掛かり、顧客管理の仕組みづくりから運用までを任されるようになりました。
「1年生からインターン?」と思う人もいるかもしれませんが、将来はビジネスマンになるんだろうなという漠然としたイメージから、リアルな仕事というものに早めに触れておきたいという思いがあっため、挑戦する事にしました。
大学では、法律学科で独占禁止法・WTO貿易規制・交渉学を対象とするゼミに参加していました。正直に言うと、ゼミの内容以上に、担当教授やそこに参加しているゼミ生たちに興味があったため、そのゼミに入ることを決めました。
実際、担当教授はもちろん、卒業生も含め、慶應義塾大学の中でも特に能力の高い、尊敬できる人々に恵まれた環境に身を置くことができ、とても刺激的な学生生活になりました。
――坂田さんは「人」を凄く大事にされているのですね
そうですね。
誤解を恐れずに言うと、「触れ合う人を見極めていた」側面はあると思います。慶應の中でも自分自身にとって面白くてリスペクトでき、一緒にいて人間的に成長できると思える人々とコミュニケーションを取ることを大切にしていました。
それは今振り返ってみても、自分にとって重要なことだったと思います。今も普段の生活の中で、出会った人たちとどのように関わっていくかということは意識しています。
――坂田さんがAO入試を受けようと思った経緯を教えてください
実は、現役生時代はとにかく国公立の大学に向けて勉強していて、AO入試を受けることは全く考えていませんでした。高校は福井県でも有数の進学校だったのですが、当時はむしろ、学校から「AO入試なんか受けるな」と言われたり(笑)
浪人することが決まったときに、元々いとこが洋々に通いながらAO入試を受験していたこともあり、AO入試を選択肢の一つにいれることを考え始めました。
――AO入試の受験を決断する上で葛藤はありましたか?
自分がAO入試を受けられるような人間だとは本当に思っていなかったです。
高校時代はサッカーと勉強しかしておらず、輝かしい経歴があったわけでもなかったので。
ただ、洋々で入塾相談をした際、「輝かしい経歴がなくても挑戦できる」とGMの方に背中を押してもらったことで、AO入試を受ける決断をしました。
――受験生時代のサポートの思い出などを教えてください
私は、慶應義塾大学のSFC AO入試と、法学部のFIT入試を受験しました。
現役生の時は一般入試の受験勉強ばかりしていたこともあり、AO入試の準備を始めたばかりの頃はどのように志望理由書を構成してよいかなど、全く見当がつかなかった記憶があります。
ただ、FIT入試に向けて小論文のサポートを受けながら、エキスパートから学んだフレームワークを日常の中でも活かして勉強することを意識できるようになったことで、少しずつ志望理由書の書き方や考え方が分かるようになっていきました。
――SFC AO入試と法学部FIT入試、それぞれ別の内容で志望理由書を作成されたのですか?
そうですね。同じ慶應義塾大学でも学部が違うので、同じ内容の志望理由にすることが難しく、2種類作成しました。
SFC AO入試では、自分の両親が共働きで祖父母と過ごす時間が多かったこともあり、シニアタウンを設けて、リタイアしてからも楽しめる環境を作りたいという内容の志望理由書を書きました。
法学部FIT入試では、高校の時に短期留学したシアトルでの経験をベースに書類を作成していきました。
シアトルで多くのホームレスを街で見かけたことが強く印象に残っており、貧困をテーマに、どのようにすれば、貧困に陥った人がその環境でもよい生活を送れるのかを考えて、志望理由書を構成しました。
――洋々メンターとして活動した思い出を聞かせてください
洋々のメンターとして受験生に向き合った4年間の中で、多くの受験生を担当させていただきました。
僕が担当した受験生は、自分と近い背景を持つ人が多かったように思います。
高校時代に人に自慢できるような輝かしい経歴がなく、どこかコンプレックスを抱えている、というような。
だけど、そういった受験生たちが洋々のサポートの中で自分のやりたいことを見つけて、自信を持って入試に臨んでくれたのはとても嬉しかったです。
――これまでの経験から、どのような人がAO入試に向いていると感じますか?
自分自身がAO入試を受験した経験からも、志望する大学に学力試験で合格するのが難しいと感じる人であっても、その大学に入りたいという熱意がある人は向いていると思います。
自分のやりたい事や夢を実現する手段として大学は存在します。
一般入試ではたとえハードルが高くとも、AO入試なら挑戦できることもあります。
志望大学に対する熱意や、学力では測れない受験生の個性や価値観などで総合的に合否が決まるので、そのようなところで評価してもらいたいという人は是非選択肢としてAO入試を考えてもらいたいです。
――最後に、AO入試を考えている受験生へメッセージをお願いします
繰り返しになりますが、AO入試を受験する上で輝かしい経歴や、人に語れるような原体験は必要ありません。
その大学に入りたいという熱意と、一歩踏み出す勇気を持ってAO受験に挑んでもらいたいです。
2023年4月 於 洋々