論理と情熱が道を拓く~計量分析で社会問題を捉える法学部生のロゴス、エトス、パトス | 総合型選抜の個別指導塾 洋々

論理と情熱が道を拓く~計量分析で社会問題を捉える法学部生のロゴス、エトス、パトス

総合型選抜の個別指導塾 洋々 > 洋々 卒業生の合格校 > 洋々卒業生now! ~総合型選抜による大学進学と、その後のストーリー > 論理と情熱が道を拓く~計量分析で社会問題を捉える法学部生のロゴス、エトス、パトス

洋々卒業生now! ~総合型選抜による大学進学と、その後のストーリー


総合型選抜は、志望動機や大学で学びたいことを真剣勝負で問われる入試。受験生は準備期間を通して、自分の将来や大学でしたいこと、理想の大学生活とはどのようなものか?という問いに、とことん向き合うことになります。
しかし、大学への入学はあくまでも「スタート」。大切なのは、入学してから充実したキャンパスライフを送ることです。

今回取材を受けてくださったのは、慶應義塾大学法学部政治学科ハミドゥミーナさん。2020年に同大学に入学し、現在は4年生。大学では政治課程論のゼミに所属されながら、政治学科のゼミナール委員会の総務としても活躍され、国際交流サークルにも所属されていました。

AO受験そして大学生活を通して大きな学びを得た、というハミドゥさん。慶應義塾大学ではどのようなキャンパスライフを送っているのでしょうか?

 

洋々卒業生プロフィール
ハミドゥミーナさん

慶應義塾大学法学部政治学科 在籍(4年生)

川崎市立橘高等学校 卒業

 

慶應生のゼミライフ~政治過程論の視点から、学部生として二本の論文を提出

洋々 卒業生インタビュー 慶應義塾大学 法学部

―― 本日はよろしくお願いします! 現在は具体的にどのようなことをされているのでしょうか?

この間までずっと卒論に追われていて、ここ最近は、とにかくずっと卒論を書いていました。でもその少し前まではIT企業でのインターンをしたり、ゼミの代表だったこともあり、政治学科のゼミナール委員会の総務などもやっていました。また、国際交流サークルにも所属して活動していました。
私は築山宏樹先生のゼミに所属していて、そこで政治過程論という、統計学などの手法を用いて現実政治のプロセスを実証的に明らかにしよう、という学問を専攻しています。3年生からこのゼミに入って、そこからはずっと「ゼミ漬け」という感じの日々でしたね。私のゼミでは、3年生でも4年生でも論文を書くんです。


―― ということは学部在学中に二本論文を書くということですか、すごいですね…。もし差し支えなければ、どのようなテーマで論文を書かれたのかについて、少しお伺いしてもよろしいでしょうか?

3年次は企業における女性や外国人、障碍者の雇用と企業の業績の関係性をテーマとして取り上げて、卒論では、国籍に関わらず外国にルーツを持っている、日本語に不慣れな生徒の高校進学率をあげる要因について分析していました。
今までの研究では「移民的な背景があると進学率も低くなりやすい」など、子供たちがどうやっても変えられない部分で説明されているものが多かったのですが、入試制度や先生の質、日本語支援が行われているか否かなど、そういった制度的な部分から何かアプローチできるところはないのか、というモチベーションで研究に取り組んでいました。

 

“人”との出会いが刺激に、思考力が磨かれた洋々受講生時代


―― 素晴らしいですね。受験生時代のこともお聞きしていきたいのですが、高校時代はどのようにして過ごされていましたか?

は高校2年生の初めからずっと、外国から来た子供たちへの日本語支援のボランティアをしていました。また、国際科に通っていたので、それもあって英語の勉強にも力を入れていて、2年生の夏にオーストラリアに短期留学もしました。
また、中学3年生のときにバレーボールジュニアオリンピックカップ(JOC)の神奈川県代表に選ばれて、そのまま高校でもバレーボールは続けていたのですが、高校1年生のときに怪我をしてしまって、その時に「これ以上は思っているようには活動できないな」と感じたんですね。それもあって2年生に上がるタイミングで部活は辞めて、そこからボランティアを始めました


―― そうだったんですね。そこからどのような経緯があって洋々に入塾されたのでしょうか?

洋々には高校3年生の4月に話を聞きに来たのが最初で、入塾したのは5月の頭くらいからだったと思います。一般入試ではなくAOや推薦入試に興味を持ったそもそものきっかけは、純粋な学力試験より、小論文や面接などの方が自分には合っていると思っていたことです。
私は国際的な問題にずっと興味があったので、どちらかというと最初は慶應というよりも、上智や横浜市立大、東京外大など、国際的な分野を売りにしている大学を見ていました。ですが、4月にお話を伺った際に、それらの大学でなくても、例えば慶應の法学部政治学科などでもそういった方面の勉強はできるよ、ということを紹介していただいたんです。私自身はまったくノーマークだったのですが(笑)、当時は慶應の結果が出るのが早かったこともあり、慶應を受けてから上智など他の大学のことを考えてもいいのかなと思って、慶應法学部から書類の作成を始めて行きました。


―― なるほど、そういった経緯があったのですね。受講生時代で思い出に残っていることなどはありますか?

とても素敵なメンターさんと出会えたことは、私の中ですごく大きかったですね。今でも尊敬している方なのですが、全てのコメントが的確で、「どんな書類を作ってもこの人には敵わないな…」と思っていました。
それ以外にも演習やワールドカフェなど、同年代の子たちから刺激を受けたり、情報交換ができる場所があったことも大きな励みになっていたと思います。
また、GMの江口さんと出会えたことも私の中では大きな意味を持っていて、江口さんは私にとってまさに「恩師」と呼びたいくらいの方です。どんな相談を持って行っても、常に必ず想像の上を行くコメントが返ってきて、この方がGMで本当によかったな、と思っています。私は卒業後シンクタンクに就職する予定ですが、コンサル系に進んでみたいな、と思うようになったきっかけは、江口さんと出会ったことでした。


―― とてもいいお話ですね。出願書類、面接、筆記試験などに関してはどうでしたでしょうか?

ボランティアのことなどもあり、問題意識は非常に明確にあったため、テーマ決めなどでは正直あまり困りませんでした。
ただ、私にとっては、AO入試の書類作成が「論理的に考える」ということと向き合う初めての機会だったので、書類の内容の精度を上げていくことはなかなかうまくできなくて、最後の最後まで自分としてはもがいていました。問題はこれだ、ということは自分ではよくわかっているのに、でもそれを誰かに説明しようとすると、「なぜそれが問題なのか」「それを解決する意義とは何か」「なぜ大学のこの授業を学ぶ必要があるのか」「自分は将来どういうことをしたいのか」などの疑問がブワッと一気に出てきてしまって、色々な資料を調べながらそれを考えていくうちに、いつの間にか自分自身がその情報量に呑みこまれてしまっていたこともありました。
そこをメンターさんがホワイトボードにまとめながら整理してくれて、「ここが幹の部分で、ここは枝葉の部分だから切ってしまっても大丈夫」などと的確にアドバイスをしてくれたんです。そして何度もそれを繰り返していくうちに、自分自身でもそれが少しずつできるようになっていって、最終的には一貫性を持ったストーリーとして語れるようになっていった、という感じでした。


―― いいお話ですね…。当日の試験や面接などに関してはどうでしたか?

私はA方式とB方式を両方受けたのですが、A方式はグループ・ディスカッションB方式は面接がありました。ただ、私はちょうどその週が体育祭で、全然声が出ない状態で臨むことになってしまって…(笑)。今では思い出になっているのですが、大変でしたね。
そんな中でも、A方式はディスカッションで自分の意見も言えたし、手応えを感じていたのですが、B方式はまず記述の問題が例年とは少し異なっていて「難易度が高いな」と感じて、ドキドキしました。B方式はその後に面接もあったのですが、私は人と話すことは得意な方なので、そちらはちゃんとできたかな、という感触でした。


―― AO入試を通じて洋々で得た学びが今の自身の活動にどのようにつながっていますでしょうか?

大きく分けると二つあるのですが、一つ目は「逆算思考で常に考えるという習慣が身についた」ことです。具体的には、将来やりたいことから逆算して、「それをやるためにはこのステップを踏まないといけない」とか「じゃあそれをやるために今自分がすべきことはなんだろう」とか、そういうふうに考える癖がついたことですね。これは就活でもすごく役に立ちました。「こういう企業でこういうことをしたい、となると、今の学生生活の間ではこういうことをしておいた方が良くて…」など、そういったことを常に考えながら動くことができたので、そういう意味では四年間を有意義に過ごせたな、と思っています。
二つ目は、一つ目とも若干重なるのですが「論理的に考える力がついた」ことです。「ロジックの部分と自分の感情の部分を、いかに掛け合わせて強い説得力を持って話せるか」ということが人と話す時には重要だと思うのですが、「自分のどういう過去がどういう今の感情につながっていて、そして自分のどういう未来の思考につながっていくのか」という、この感情とロジックの流れを自分の中で常に整理して考えていける思考力が身についたな、と思います。

 

コンサルタントへの憧れ、チャレンジ精神と共に駆け抜けた学部四年間

洋々 卒業生インタビュー 慶應義塾大学法学部 洋々


―― 入学前の慶應義塾大学法学部については、どのようなイメージをお持ちでしたか?

入るのが難しそう、とまずは直感的に思っていましたね(笑)。あとは、稚拙な表現になってしまうのですが、いろんな分野に賢い人がいて、活躍されているイメージだったので、圧倒されるんじゃないかな、と考えていました。


―― 実際に入学してみていかがでしたか?

そのイメージは今もそのままですね。賢い、ということでくくってしまうのは大雑把すぎるのですが、本当によく考えて行動している人もいるし、各方面で活躍している人が卒業生だけではなく、自分の同期でも一個下でもたくさんいて、「いろんな分野で慶應生こんなことしてるんだ…」と、入学してから名前を見る機会が多かったです。


―― 先ほど卒業後の進路についてのお話もありましたが、築山ゼミに入られたのは、コンサルティングの道に進みたい、という思いもあったからだったのでしょうか?

まさにそうでした。先ほども少しお話しさせていただきましたが、私にとっては江口さんと出会ったことの衝撃が大きくて、コンサルタントの方ってこんなに頭が切れて、思っていることを的確に言語化できるのか、とまず思ったんですね。さらにその上、自分のことだけじゃなくて誰かの課題解決に携われる、という、そのすべてに魅了されて、それもあって、1年生の頃からその方面に進むためにはどうしたらいいんだろう、ということを考えていました
私は受験生の頃から国際系や教育系の問題に課題意識を持っていましたが、歴史や理論を踏まえた定性的な議論をすることも重要である一方、その施策でどのくらいの効果が出るのか、などの定量的な指標を持った上で議論を進めることの重要性も痛感していました。教育系に限らず、そういったデータや数字をきちんと示して課題解決に携われたらいいな、と思っていたので、築山ゼミを選んだ、という流れでした。


―― そうだったんですね。学生生活を振り返ってみて、よかったことや思い出に残っていることは何でしょうか?

そういった経緯もありましたし、とにかくゼミでの生活が自分にとっては大きな出来事だったな、と思います。ゼミが始まった3年生の一年間は、まず統計ソフトのRを一から勉強したり、研究の手法などを包括的に学んだりして基礎準備をした後、3年生の夏の合宿からはすぐ秋の三田祭に向けての論文を仕上げる期間に入っていって、まさに怒涛の一年間でした。
4年生はとにかく卒論の時期で、春の間に先生やゼミ生からフィードバックをもらいながら構想を練り、自分でデータを集め、秋冬にかけて卒論を仕上げていきました。分析としてはシンプルなものではあるのですが、いかんせんデータがまとまっていなくて、各都道府県のサイトに飛んで集めたり、自分で推計値を出したりしなくてはいけなかったのが大変なところでしたね。
ただ振り返ってみると、私はもともと文系で、数学もすごく得意というわけではなかったのですが、本当にチャレンジしてよかったな、と思っています。ゼミでの活動を通して、定量的に分析をして意味合いを導き出すことの楽しさに触れることもできましたし、たくさんのタスクがある中を自分でスケジュールを組んでやり遂げる、という経験も、自分の中では大きいものでした。
 

今後の展望~自分との対話を大切に

洋々 卒業生インタビュー 慶應義塾大学 法学部

―― シンクタンクに就職した後の展望について教えていただけますか?

私自身はこれまでずっと国際系や教育系の問題に興味を持ってきましたが、就職後はそれだけに専念するのではなく、もっと幅広い社会問題にアプローチする経験をまずは積みたいと考えています。そしてその上で、自分が興味のある分野についても、あるいはそれ以外の分野についても、そこで自分に何ができるのかを模索していきたいと考えています。


―― では最後に、総合型選抜の受験を考えている受験生たちにメッセージをお願いします。

一番伝えたいことは、「なぜその大学を受けるのか」「自分はどういう人なのか」という原点に立ち戻って、自分との対話をし続けて欲しい、ということです。
というのも、現在では少し前に比べて、推薦入試や総合型選抜が主流になりつつあると思っていて、その中では、今まで以上に小手先の技術では通用しなくなってきていると感じています。だからこそ、自分がやってきたことや自分自身に自信をきちんと持ちつつ、将来の目指す姿から逆算して、自分がなぜこの大学に進みたいのかと考えたり、あるいは「自分にはこういう思いがあるからどうしてもこれがしたい」や「自分だからこそ出せるオリジナリティとは何なのか」「自分ならではの着眼点や着想はどういうところにあるのか」などを常に考えながら、自分の色を見失わないようにやっていって欲しいです。
私の場合は、何もなくなって、そこから自分のできることを見つけたのが部活ができなくなった高校2年生の時でした。もしかしたらこれを読まれている皆さんの中にも、そういった自分の軸みたいなものを持っていない、と思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、高校3年生からでもそういったものを見つけるには全然遅くないと思います。総合型選抜は継続してきた何かがある方が強いと私は思っているので、一年間だけでも、自分だからできる何かを探しつつ活動していってもらえればいいな、と思います。

 

インタビュアー:高橋輪
2024年1月 於 洋々

 

 

総合型選抜とは? / 志望理由書の書き方 / 自己推薦書の書き方 / 小論文の書き方 / 大学受験の面接

洋々オンラインでAO入試対策
まずは無料個別相談へ
総合型選抜(AO推薦)のプロがお答えします!

カウンセリングを通じて総合型選抜・学校推薦型選抜の疑問にお答えし、合格に向けたプランをご提案します。

総合型選抜のプロがお答えします!