駒澤大学


駒澤大学 入試センター入試課課長
松本 享 氏

インタビュアー 洋々:清水信朗

洋々清水:
 駒澤大学で導入している推薦入試方式と入試方式ごとの募集人員の割合についてお聞かせください。

松本氏:
・募集人員について
 駒澤大学の一学年、およそ3,200人の入学人員のうち、400人くらいが推薦入試のA方式、110人が推薦入試のB方式の募集人員です。募集人員の一割強が推薦入試の募集枠となっています。

・出願資格について
 出願資格として、A方式、B方式ともに、高校時代の評定平均値を用いています。学科により異なりますが、A方式は、全体の評定平均値が3.8以上ないし、4.0以上、または全体の評定平均値が3.5以上で特定科目の評定平均値が4.0以上が出願資格です。
 B方式は、全体の評定平均値が3.2以上、かつ特技、資格を持つ者です。

・試験科目、合否判定について
 A方式の試験科目は、小論文と面接口試、B方式の試験科目は、面接口試です。面接口試は、単純な面接のみではなく、志望する学部、学科に関する質疑があります。A方式においては、第一条件として、全体の評定平均が3.8ないし4.0以上という条件を設けていますが、ほとんどの学部で、第二条件として、3.5以上でなおかつ特定科目が4.0以上でも良いと条件を設けています。この第二条件で出願資格を満たす、「得意科目がある志願者層」には、第一条件で出願資格を満たした受験生より、合格率は少し高めの層もあるという結果も出ています。
 B方式では、志願者の持っている資格、特技で評価します。資格、特技については、学科ごとに判定する比重が異なり、出願者の中で相対的に優位と思われるものを持っている人から合否が決まります。評定平均、取得している資格をポイント化し、合格判定に使用している学部もあります。
 A方式、B方式ともに、小論文および面接口試の結果が合否判定にもっとも影響し、同等の結果を残した受験生の合否を判定するときに、評定平均値を用いる場合があります。

洋々清水:
 駒澤大学で推薦入試を入試方法で採用している目的はなんですか。推薦入試でどういった学生を採りたいとお考えですか。

松本氏:
 推薦入試を導入した当時、学力試験によらず、優秀な学生を採りたいという主旨で開始しました。1998 年度入試から経済学部のみが始めております。1999 年度入試から現在と同じ形(A・B 方式)で全学部実施しております。
 学力試験を課さない入試は、2 月1 日以前でもできるため、学力試験に代わる試験で優秀な学生を募集するのが当初の主旨です。

洋々清水:
 導入時期と比べ、推薦入試の募集人員の割合は増えていますか。また、今後、増減する予定はありますか。

松本氏:
 導入時期と比べ、募集人員の割合は大きく変わっていません。学部学科の改組に伴い、5 名ないし10 名の募集枠を増減することはこれまでに行なってきましたが、改組などがまったくない学部学科については、募集人員については、増減はほとんどありません。また、今後については、推薦入試の割合を見直す具体的な話はでてきていません。当初の推薦入試の目的が果たせているのであれば、入学センターとしても、推薦入試枠の増加を働きかける可能性はあります。

洋々清水:
 推薦入試で入学した学生と学力試験で入学した学生の違いはありますか。

松本氏:
 たとえば、経済学部でいうと、入学後の修学状況を見ると、推薦A 方式、推薦B 方式で入学した生徒は、学部学科の全体の平均より若干良いという結果が出ています。GPA で比較すると、推薦A 方式は、0.1 程度、推薦B 方式は、0.2 程度全体の平均より、良いという結果が出ています。

洋々清水:
 志望理由書の審査、面接の審査、合否の判定は学部ごとに実施するのですか。

松本氏:
 学部ごとに教授会が審査し、合否の判定を行ないます。入学制度についても、学部ごとに細かい試験方法を教授会で審議します。その後、入学試験委員会という全学的に統一のルールを調整する委員会で決定します。

洋々清水:
 駒澤大学で志願者の合否判定を行なうとき、何を重視されますか。どういった学生に入学してほしいと思いますか。

松本氏:
 始めに、高校時代、高校の勉強をバランスよく熱意を持って勉強してきた学生であること。次に、学科に対する研究意欲、学習意欲が強い学生であること。最後に、特にB方式で志願する学生に対して、周囲の学生にいい影響を与える学生であること。
 学業のみで入学した学生とは異なる世界観を持った学生が入学することにより、クラス、学科全体にいい刺激を与える学生も志願してほしいと期待し、推薦B方式を設けています。

洋々清水:
 推薦入試で志願者を選抜するためにはどういった試験を行なっていますか。高校時代の成績、小論文、志望理由書、面接口試の結果をどのような比重で合否判定に使用されていますか。

松本氏:
 A方式では、小論文、面接口試の比重が大きいです。志望理由書については、書類審査の中で、学部の面接員、採点員が目を通します。特に大きく問題のある記述がなければ、志望理由書でマイナス方向の評価を受けることは少ないと思われます。ただし、志望理由書の内容は、面接口試の材料に使うため、聞こえのよいことだけを記載した場合、面接口試で満足のいく質疑応答ができない場合があります。そういう意味では、志望理由書に書いたことが、本当に自分の考えたことであるかどうかは重要だと考えています。小論文と面接口試は同等の比重で評価をすることになっています。小論文で大きく失敗した場合、面接で挽回することは難しいのが現状です。小論文では、標準的な評価を得た上で、面接で自己アピールする必要があります。
 高校時代の評定平均値は、最終的な合否判定では、あくまで参考程度に用います。小論文と面接口試で同等の判定の場合に、高校時代の評定平均値を合否判定に使用する可能性があります。

洋々清水:
 高校時代の成績を合否に使用するとき、高校の違いを考慮しますか。

松本氏:
 考慮しません。どれだけその高校の中で努力をしてきたかを評価するために、高校時代の評定平均値を出願資格として設けています。高校の全体の学力の違いから、評定平均値4.0が意味する学力の違いはあると思いますが、受験のための学力を見ているのではなく、どれだけその高校の中で努力をしたかを見ています。
 4.0の志願者より、4.8の志願者は、その高校の中でより努力をしてきたという点を評価したいと考えています。

洋々清水:
 駒澤大学に入学したいと思っている志願者にアドバイスをお願いします。

松本氏:
 小論文の試験では、学部学科に関する知識、問題意識があるかを見ています。志願者には、志望する学部学科に関するテーマについて問題意識をもって勉強してほしい、自分の考えをまとめ、表現する力を養ってほしいです。
 面接の試験では、問題意識、コミュニケーションの力を見ています。志望する学部学科に関する問題意識を持つこと、質問に対して自分の言葉で答えられるようになってほしいです。
 大学入学後、目的意識を持って大学生活を過ごすためには、思考力、コミュニケーション能力が必要だと考えています。

洋々清水:
 駒澤大学が他の大学と異なる点、アピールできる点をお願いします。

松本氏:
1.立地条件が非常に恵まれています。
 駒澤大学は、この地で長く続けてきました。一時期、首都圏から離れた大学も、また首都圏に戻ってくる傾向がありますが、駒澤大学はこの地で近隣とともに歩んできました。

2.一キャンパス内にすべての学部学科が集まっています。
 理系学部を含めた総合大学として、駒沢の一キャンパスですべての学部学科の生徒が勉強しています。同じ高校から入学した学生が、そのまま人間関係を維持できます。男子学生が多い学部、女子学生が多い学部が同じキャンパスで勉強し、互いに影響しあっています。

3.時代のニーズに適合した学部、学科の新設、改組を行なっています。
 医療健康科学部は短大の学科から、学部への改組、学際的で時代のニーズに即した学問の必要性からグローバル・メディア・スタディーズ学部の新設、経済学部、経営学部のそれぞれの新しい領域を合わせた現代応用経済学科、市場戦略学科の新設などを実施してきました。駒澤大学では、グローバル化、情報通信の進化のスピードに合わせた学部、学科の新設などを行なっています。
 一方、歴史的な学部、文学部、仏教学部など時代の流れによらず落ち着いた学問体系の中で勉強していける学部もあります。

洋々清水:
 オープンキャンパス、キャンパスツアーなどについて教えてください。それぞれ、どんな情報を仕入れることができますか。

松本氏:
 それぞれ、参加したことによる入試での特典、メリットはありません。あくまで、情報収集のための位置づけとして、参加してください。
 オープンキャンパスでは、模擬授業、学部学科ごとに相談コーナーを設けています。直接、学部学科の教授から話を聞いたり、授業を受けたりする機会です。また、学部学科の学生の話を直接聞くこともできます。
 キャンパスツアーは、施設の概要を見ていただくものです。
教育施設、図書館、情報施設、曹洞宗の坐禅を体験できる施設の紹介などを行なっています。
オープンキャンパス中も実施しています。

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