専修大学


専修大学ネットワーク情報学部
ネットワーク情報学部教授 学部長 中村 友保 様

専修大学ネットワーク情報学部
ネットワーク情報学部教授 AO入試委員長 山下 清美 様

AO入試を導入した経緯、趣旨について

洋々江口:
 専修大学ネットワーク情報学部でAO入試を導入に至った経緯、趣旨についてお聞かせください。

中村学部長:
 専修大学ネットワーク情報学部がAO入試制度を導入してから、今年で8年目に入りました。
 一般入試で測ることができる学力だけで選抜するのみではなく、多様な人材、学生に入学していただきたいという目的でAO入試での選抜方法を導入しています。受験生の素質が、この大学、この学部に合っているかどうかをAO入試では見ています。一次選考の出願書類、二次選考の面接において、高校までの活動、または今後どういった活動をしていきたいかを存分にアピールし、見せてください。そういった受験生に出会い、本学において力を伸ばしてほしいと共鳴したときに、一緒に大学で学んでいきましょうというのが、AO入試の趣旨です。

山下教授:
 二次選考の面接時間は30分ありますので、受験生は自分を十分にアピールできます。また、面接を担当する本学部の教員は、面接を通して、深く学生を知ることができます。受験生の方には、学部、大学のことをよく調べていただきたいです。
 人生にとって、どこの大学に進むかは大きな意味があるにもかかわらず、偏差値だけを基準に大学を選ぶのは気の毒だと思います。受験生が大学のことをよく知り、マッチングのいいところで受験していただきたいです。本学部にプロジェクト学習が導入されているということを調べてきて、そこでどんなことをしたいか、という明確な目的を持って受験する学生もいます。そのように、大学のことをよく調べ、意欲もある学生が本学部を受験することは、大学にとっても、とてもありがたいことだと思います。

学部内でのAO入試への取り組みについて

洋々江口:
 ネットワーク情報学部におけるAO入試への取り組みついてお聞かせください。

山下教授:
 AO入試の実施においては、本学部の全教員が複数のグループに分かれ、二次選考の面接を行います。合否の結果は、受験生の人生を左右することにもつながります。一方、大学としても本学に合った学生を見逃すことのないよう、慎重に選考を行なっています。
 具体的には、ネットワーク情報学部が求める学生像を4つのタイプに分けて示しています。

[ネットワーク情報学部が求める学生像]
 (a)本学部入学後に実現したいアイディア・企画・計画をもつもの
 (b)勉学・課外活動(部活・生徒会など)・学校外での諸活動でアピールできる実績のあるもの
 (c)基本情報技術者試験、初級システムアドミニストレータ試験等の情報処理技術者試験に合格したもの
 (d)情報処理について能力があるもの
以上のように、ネットワーク情報学部が求める学生像を具体的に示し、なるべく客観的に受験生の合否を判定するよう取り組んでいます。

AO入試で入学した学生の特徴について

洋々江口:
 AO入試で入学された学生は、入学後、どういった活躍をされていますか。

中村学部長:
 AO入試で入学した学生は、他の方式で入学した学生に比べ、やる気、学習への取り組み意欲が高いと感じています。「自分はこういうことがしたいから入学してきたのだ」といったように、学ぶことについての目的意識が明確に伝わってきます。
 本学部においては、1年生のときから、演習の授業がたくさんあります。コンピューターリテラシーの授業、コンピュータの使い方、WEBページの作成など、グループでの研究、発表があります。AO入試で入学した学生は、そういったグループでの演習の中でリーダー的な役割を担い、ほかの人を引っ張り、助けることが多いようです。プレゼンテーション能力というのは、人を説得する能力ですから、そういった能力により、まわりの学生を感化し、いい影響を与えているようです。多くのケースで成功していると考えており、AO入試は、本学部入試制度のコアになっていると思っています。

洋々江口:
 AO入試では一般的な学科試験が課されないために、入学後、学力面で苦労する学生が多い、と言う報道もありますが、いかがお考えでしょうか

中村学部長:
 筆記試験で測ることができる学力は、学生の能力の一つであると考えています。AO入試で入学した学生は、学力テストという、単純に同じ「モノサシ」で測った場合には、相対的に点数が低いこともあるかもしれません。しかし、AO入試では、成長の可能性という単なる学力以外のものを持った学生を選抜することを目的としています。将来、成長する可能性があり、なおかつ、その成長する方向が本学部の目指すところ一致するなら、その可能性にかけてみよう、そういう思いに至る学生に出会えるよう、AO入試に取り組んでいます。そのような将来の可能性のある学生を育て上げることが大学の使命だと考えています。

山下教授:
 入試方式による入学後の能力という点では、差がないと実感しています。大学での勉強、演習、研究は、知識のつみこみではありません。プログラミング言語を学ぶことは、形式論理で考える力につながっていきます。他にも、問題解決力やコミュニケーション力なども知識のつめこみでは身につきません。
 本学部の学生は一般入試で測ることができる力とは異なる、別の能力を身につけることができていると実感します。学生がそういった能力を身につけていくことは、教員としても手ごたえを感じています。

洋々江口:
 AO入試の合格者は、早い時期に入学が決まります。入学までの勉強(入学前教育)についての取り組みをお聞かせください。

山下教授:
 推薦入試、AO入試で合格された方を対象に、入学前の課題を課しています。英語、数学、総合の3つの領域について、担当教員が課題を出題しています。また、専修大学の教員が作成している「知のツールボックス」という本を読み、レポートの書き方の基礎、ノートのとり方などを学習していただきます。これは、高校までと大学では学習の仕方、授業の受け方も変わるという心構えを持っていただくためです。入学前教育は、英語、数学などの能力を得ることのほか、課題、レポートの提出まで、根気強く勉強し取り組むという姿勢を身につけることも目的としています。入学前教育の実施は、学生にとっていい効果が出ていると判断しています。

ネットワーク情報学部の学生への希望と期待

洋々江口:
 ネットワーク情報学部では、学部の教育を通じ、どういう学生に育ってほしいですか。また、どういった能力を持った学生として、社会に送り出したいですか。

中村学部長:
 本学部は、経営学部情報管理学科が母体となって改組転換してできた学部です。世の中が「情報を管理する」というのではなく、情報ネットワークのつながりを重視する時代を向かえ、これに合った人材を育成するべく、経営学部情報管理学科を改組して、ネットワーク情報学部が誕生しました。
 以前、メインフレームコンピュータ(集中型大型計算機)の時代は、中央集権型のシステムを構築し、いかに情報を集約し、蓄積し、管理していくのかが会社など組織の課題でした。しかし、時代は変わり、分散型システムが主流となり、誰でもPCで自由にデータ処理ができる時代になりました。人々はパソコンを持ち、自らが情報を作成し発信できます。それは仕事に限らず、PCで画像を作成したり、作曲したり、あるいは外国の風景を見たりなど個人の楽しみや自己充実でもあります。
 そういう時代に対応できる人材はどういった人材かというと、自分から発想し、考え、発信できる人材だと考えます。
 論理的なことを考えるのが好き、コンピュータ操作が好き、それも必要です。それに加え、自己実現能力、プレゼンテーション能力、そういったものも身に付けていただきたいです。コンテンツ(情報の中身)をどう作成し、加工し、発信するかが重要だと考えます。

洋々江口:
 学生自らが問題を見つけ、情報を発信する力を身につけるために、どのような取り組みをされていますか。

中村学部長:
 これは、AO入試で入学した学生のみではなく、大学の学生全体の課題です。学生には、いろんなことに興味を持っていただきたいと思っています。理工系志望の学生にも、社会的なこと、政治的なこと、文化的、歴史的なことも知ってほしいし、文系志望の学生にも、たとえば数学や統計のことも理解してほしいです。大学時代は、それを学ぶ一番のチャンスです。そういったことを実現するために、本大学においては、教養科目にもかなり力を入れています。また、それ以外でも、学生自ら、本を読む時間も多く取っていただきたいです。

洋々江口:
 ネットワーク情報学部の学生は、社会に出てからどのようなご活躍をされていますか。

中村学部長:
 情報関連企業、出版社、製造業など、希望する就職先、またはそれに近い就職先に就職しています。本大学の中でもネットワーク情報学部の就職率は学内でも最も高い水準にあります。また、年間、10数名程、他大学の大学院への進学し、研究を続けている学生もいます。他大学の大学院からも受け入れられるような人材を輩出していることも本学部の特長です。

山下教授:
 在学中に会社を設立、卒業後に会社を設立した学生もいます。卒業後も自ら力をつけて、各分野で力を発揮し、アピールしているという話を聞きます。

ネットワーク情報学部が実施する入試制度の課題と取り組みについて

洋々江口:
 ネットワーク情報学部におけるAO入試を含めた入試制度の今後の課題についてお聞かせください。

中村学部長:
 ネットワーク情報学部のことをさらに知っていただくよう、力をいれたい。これまでもさまざまな取り組みをしてきました。しかし、まだ、そのことが広く、十分に伝わっていないと感じます。本学部はすばらしい学部で、いい卒業生を多く社会に輩出しているということを、もっと知ってほしい。世間では専修大学というと、まだまだ法学と経済の大学、という認識が強いと感じます。純粋の理系ではなく、文系の学生でも自分の力を伸ばしたい方向に力を伸ばすことができるネットワーク情報学部があると知っていただけるよう、努めていきたいと思います。

山下教授:
 教員としても接していても、驚くほど成長する学生がいます。プログラミング、コンテンツデザイン、情報戦略、経営などいろんな領域を複合的に学ぶことができる、これが本学部の特長です。学ぶ学問の領域の組み合わせにより、将来進む方向、職種も多様に広がっていきます。
 学生が、将来のキャリアデザイン、自分の進む方向性を積極的に考えられるよう、大学は、それをサポートできるカリキュラムをもっともっと充実させていきたいと考えています。

ネットワーク情報学部への入学を志す受験生の方へ

洋々江口:
 ネットワーク情報学部への入学を志す受験生に向けて、専修大学ネットワーク情報学部のアピールをお願いします。

中村学部長:
 本学部は、自分の可能性を拓く学部です。「自分がやりたいことがあるから、この学部で学びたい。」そういう学生と一緒に学びの場を持ちたいと願っています。したがって、「自分の可能性を伸ばしたい、だからその一環として自分はこのような活動をしてきた」、「今後はこのようなことをしたい」ということをアピールしてください。

山下教授:
 本学部に限らず、若い人たちに伝えたいのは、人間は変わることができる、ということです。自分は今、このくらいしかできないと決めないで、いろんな可能性にチャレンジしてください。
 また、本学部3年生のプロジェクトでは、1年間にわたるグループワークを通して、人間的に鍛えられます。周りの人との摩擦、自己分析などで人として成長します。人間関係の中で、自分のもろさ、弱さを実感できます。そのせいか、本学部の学生は就職活動に入る頃には自然と自己分析ができているように思います。社会に出てからこういった経験が活きてくるのではないかと思います。

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