第4回:破壊

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『すべての地球上の生命は消費の連鎖からエネルギーを得る。「太陽>草食動物>雑食動物>肉食動物」といった順。この連鎖の各ステップで前段階と比べて約90%のロスがあり、先の段階に行くにつれて生命量のロスがある。』

この様に我々の住む地球上では、利害が一致せず結果として効率の極めて悪い環境や状態が出来上がっている事が多々ある。この事は、我々生命体の原初的な域にプログラムされているかのごとく植えつけられたいわば「破壊」と言い換えられるだろう。他者を踏み台にのし上がることで我々の先祖は勝ち残ってきた。そんな「破壊」という原始的で非文明的な行為を、我々人間は200万年前最初の人類が誕生した瞬間からやめたことはない。この事実は我々現代人に何を教えてくれるのだろうか・・・

先に述べた「低効率の悪環境」とは、例えば今日のビジネススタイルに当てはまる。資本主義を始め現在の社会の様々なシステムの根底には「競争」という破壊本能が働いている。他者を排除していくこのシステムは我々の文明的発展を打ち消している。これからグローバリゼーションという名のもと「文明的」に発展していく世界を思い描くならば、人類はそのあり方を新しいものにシフトしていくべきだ。今の利潤追求をベースとしたシステムでは、必ず打ち消しあいにより個人の持つポテンシャルの総計の半分も出せないだろう。

NGOといった今まで発展してこなかったカタチの団体が、新たに強力な認知度と権力と技術力を持ち寄ることで実はこの現状を改善できるのかもしれない。世界最高ランクの王家である日本国天皇が動くことで、現状のシステムはリフレッシュされるかもしれない。国民一人ひとりの意識と知性と実行力が上がることで、一国が内側から変わっていくかもしれない。そんな大きなやんわりとした視点を持ちながら、今日からついに新大学1年生。
焦りすぎず、淡々と粛々と、精一杯。

早稲田大学 創造理工学部建築学科 入学予定 佐藤鴻