第42回:まっすぐ歩いたら一周しちゃう様な世界

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折れる寸前の最後の力で少しでも強がって立ってる。そんな毎日が鮮やかで眩しくて、目が開きません(まぶたが重いながらの筆になります)。入学してからあっという間の一年、そしてもう今年は半分を過ぎ去ってしまっているこの事実にもまたまぶたが重い。

さて今日のテーマは「もう無理!なとき」としたい。例えるならコース料理でこしらえたパンパンの腹に〆の一品を投入し、もう大満足と思った矢先出て来たお汁粉のようなものと考えて頂く。こ、これはキャパシティーオーバーだ(どこか例がオカシいのではないかということに目をつむり先へ進む)。「もう無理!」と思った地点。これは今までの自分と何ら変わらない自分自身の地の声。コップの中の水は表面張力ギリギリでもっているのあの瞬間までは所詮「コップの水」と呼ばれるのだ、悲しいことに。重力と表面張力に勝って世界に飛び出てこそ初めて「水」として存在しうるのではないか?と思う。しかしここが実に人間味のあるところで、オモシロい。地平線の先は滝壺で、そこまで行けば世界の狭間に真っ逆さま。まあでもとりあえず近づいてみるかと重い腰を上げると中々近づかない。なんだこんちくしょう!と新たな地平線を見つけようと舵をとっていると、いつの間にか自分自身に後ろからポンと肩に手をおかれて心臓が止まる。やや、滝壺の底はここだったのか!

瀬戸際に立たなければ分からないことばかり。限界を越えて行くのが毎日を生きているという何よりの証拠。それはそうなのだ。でも実は、それは常に後から来る理解であって、本人は限界を越えようとしているなんて気付かない。いつも通りのルーティンに生きていると思い込んでいる(まっすぐ歩いたら一周しちゃう様な世界なのだ!)。こういう人間の拍子抜けした鈍感さになんとも愛らしい目を向けてしまうのは僕だけではないだろう。見逃されていく「日常」に愛を。普通こそ素晴らしい。しかしこういうことが言いたかったのかはたまた違うことを書きたかったのか分からないままこの文章が終わりたがっているので終わることになりそうです。

それでは今日も一日、頑張りましょう!

更新:2012-06-25
早稲田大学 創造理工学部建築学科 佐藤鴻