第64回:ひたすら本を読む

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今年の3月頃から、意識的にいろいろな本を読み漁っています。

昔から本を読むという習慣があまりなく、3年間の高校生活もとにかく部活に打ち込む毎日で、「本を読む時間があったら、その分を睡眠に充てる!」と言い放って過ごしていました。大学に入ってから多少は読むようになったのですが、本から得る〈知識〉よりも、実際の〈経験〉を優先する考え方になってしまい、あちこちのイベントやプログラムに参加する一方で、読書はいわゆる「暇つぶし」程度にしかとらえていませんでした。

しかし、自分のまわりにいる魅力的な人には読書家が多く、普段の会話の中でも「なんかの本に書いてあったんだけど~」と言って、いろいろな話をしてくれます。尊敬するギリシャ人のオヤジも、学生時代に大量の本を読んだそうで、ギリシャの遺跡や歴史に関する知識を得たそうです。さらに、あるコンサルタントが「一年間に200冊の本を読んでいる」という話を聞き、さまざまな分野の知見を得て、引き出しを増やすためにも、やはり読書は有効な手段なのだと感じました。

そこで、3月に「年間150冊」という目標を設定し、本のジャンルに関わらず(雑誌も含む)ひたすら読んでみることにしました。ただ読むだけではもったいないので、「ブクログ」というWebサービスを利用して、読んだ本を一冊一冊記録していくことに。このサービス、iPhoneのカメラで本のバーコードを読めば、自動的に本を検索・登録してくれるという優れモノ。ふらっと本屋に立ち寄って気になった本をメモしておく際にも、非常に便利です。さらに、面白かった本については、個人ブログの方に感想・気づきをまとめて書いておくようにしています。

これまで本をほとんど読んでこなかった自分が言うのもなんですが、本は知識を得るためのものではなく、その人の価値観や考え方に触れ、世界に入り込み、経験を疑似体験(?)できるものだと思います。(そういう意味では、映画なども同じ効果があるのかもしれません。)また、人から借りた本には線が引いてあったり書きこみがあったりするのですが、そうした”しるし”がかえって興味深く、考えるきっかけになったりもします。この連載を読んでいる友人の皆さんは、ぜひおすすめの本(あるいは、本棚の片隅で眠っている本)を貸していただけると、うれしいです。

とりあえず6月現在で50冊を突破したので、ペースとしてはまずまず…。22歳を目前にして、やっと読書が〈習慣〉になってきたのかな、と感じています。

更新:2011-06-27
慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅