第66回:SPという仕事

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世の中には、多種多様な仕事があります。

先日、内閣府の国際交流事業のひとつである「国際青年交流会議」が開催されました。会議の内容はここでは省略しますが、世界各国から代表青年を招いて行われる、文字通りの「国際会議」。内閣府の副大臣ら政府関係者だけでなく、なんと皇太子殿下までお見えになりました。

参加者の青年たちは皆楽しみにしていたようですが、私の場合スタッフ(職員)として運営に当たっていたので、当日はヒヤヒヤしながら仕事をすることに…。会場である都内の某ホテルは厳戒態勢が敷かれ、来場者のカメラ類もすべて回収。懇親会の時間には殿下が代表青年たちと順番にお話になる場面もあったのですが、ちょうどそのとき自分は「動線確保」を担当。動線確保とは、殿下の前を間違っても人が横切らないよう、ゲストの人たちを整理したり、殿下が通られる際にはバリケードになったりする仕事です。そのため、殿下が自分の目の前1mくらいのところを通り過ぎていきました。思わず見入ってしまいそうになるのを抑え、全力でスルーする私。と言うのも、殿下は目が合った方には自然と話しかけられるそうなので、「スタッフは視線を合わせないように」と言いつけられていたのです。なんだか不思議なルールですが、皆スーツを着ていますし、そうでもしなければ誰がゲストで誰がスタッフか、見分けがつかないからでしょう。

もうひとつ新鮮だったのが、VIPに付き添って警護にあたる「SP(Security Police/公安警察)」と呼ばれる人たち。初めて生で観たのですが、本当にゴツイというか、イカツイというか。全員黒のスーツを着込んでいたのですが、心なしかズボンが太め。動きやすさを重視したのか、それとも筋肉で足が太いからなのか、気になるところです。ドラマ/映画「SP」の中でも描かれていましたが、会場内だけでなく外にも、一階だけでなく二階にも、何も言わずにただじっと見守っている、屈強な男たち(女性もいたけど)の姿が。私たち運営スタッフからすれば安心ですしありがたいのですが、ホテルに泊まりに来ている一般のお客さん(特に外国人)たちは、とても不安そうな顔でこちらを見ていました。真っ黒のスーツを着たイカツイ男たちが大量にいたら、そりゃ何事かと思いますよね。

更新:2011-07-13
慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅