第108回:あなたのゴールはなんですか

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あなたのゴールはなんですか?

先日、日本に遊びにきていたタイ人の友達と一緒にご飯を食べていたときのこと。お互い、無事に大学卒業したとか、俺は7月から働きはじめるとか、そんなたわいもない近況報告をしていたときに、彼がふとこう聞いてきた。
「What’s your goal?? (君のゴールってなに?)」
一瞬、ドキッとしてしまった。「ゴール」っていう言葉が、自分の中ではすごく漠然としていて、どの時点でのゴールを答えたらいいんだろう、って。むしろそれ以前に、ゴールってなんだろう。

幼い頃は、「将来なりたい職業」だと思っていた。僕は、昔から将来のことをわりと考えるタイプだったけど、その答えはずっと一貫していたわけじゃない。小学校の頃は「先生」になりたかったし、料理が好きだから「料理人」と言っていた時期もあった。中学の後半くらいからは、それが「飛行機のパイロット」になり、一方で部活の恩師からは指導者になって母校に帰ってくることを期待され…。紆余曲折を経て、結局、大学二年生で参加した「世界青年の船」での経験が転機となり、外資系のコンサルティング会社ではたらくことになった。

昔に比べれば少しだけ大人になったいま、「ゴール」という言葉の持つ意味合いや重みは、だいぶ変わったように思う。将来のことはやっぱりまだわからない部分が多いけど、最近(キャリアという意味での)ゴールを聞かれたときには、「いろいろあるけど、FIFA(国際サッカー連盟)やIOC(国際オリンピック委員会)に関わってみたい」と答えている。笑われそうだから、半分冗談、半分本気ってことにして。別にFIFAという組織にこだわりはないし、FIFAでやれるような仕事ができるなら、所属はどこでもいいのだけれど。NIKEがやっているこんなプロジェクト(http://www.nikebetterworld.com/ )にも興味がある。やっぱり人一倍スポーツが好きだし、スポーツには政治や宗教を超えて世の中を変えるだけの力があると思っているから、「スポーツ×世界」っていうフィールドで、大きな組織やプロジェクトの変革をお手伝いして、それで世の中を少しでもよくできれば、最高だと思う。そのための分析力やマネジメント力を磨くという意味もあって、社会人最初の一歩目は、戦略コンサルタントの道を選んだ。さてさて、一体どうなることやら…。

ほかにも、「道場で子供たちに空手を教えて、強いチームを作って、恩師が教えているチームを倒す」っていう、以前からずっと持ち続けているゴールもある。ゴールは決してひとつじゃないし、将来のことは、ほんとに正直まだわからない。もしかしたら、これから先、増えたり変わったりするかもしれない。だからむしろ、その「わからないカンジ」を、楽しめるくらいになりたいと思う。

更新:2012-05-30
慶應義塾大学 環境情報学部 水谷晃毅