第312回:ゴミ0の日
僕の車に付いているカーナビは、一日の始めにその日が何の日かを教えてくれる。日付が変わって最初にエンジンをかけたタイミングで「おはようございます。今日は〇月〇日、〇〇の日です。」と言ってくるのだ。
〇〇の日に当てはまるのは、誰もが知っている“こどもの日”や“みどりの日”といった祝日名や、“憲法記念日”や“終戦記念日”といった歴史上の記念日名などである。しかし当然、365日全てにこういった立派な名前があるはずもなく、ほとんどが「何だそりゃ?」と首を傾げたくなるような名前である。例えば2月28日は“バカヤローの日”、4月11日は“ガッツポーズの日”、6月24日は“UFOの日”だそうだ。
いったいぜんたい何を基にしてこのように命名しているのかは不明だが、特にネガティブなことを言う訳でもないから、それこそ「何だそりゃ?」と軽く聞き流していた。
ところがこの前、5月30日を“ゴミ0(ゼロ)の日”と言ったのには若干不満が残った。何を隠そう、その日は僕の誕生日である。もうすぐ4年になるこのカーナビとの付き合い、そろそろ運転手の誕生日くらい覚えても良い頃だ。それが難しいとしても、せめてもう少し中身のある名前が良かった。ただのゴロ合わせじゃ面白くない。まったく、失礼なやつだ。
そんなこんなで、先月僕は無事25歳の誕生日を迎えることができた。世間の言い方を借りれば、僕もいよいよアラサーだ。何かが変わる訳ではないけれど、また一年頑張っていく所存である。