第313回:同窓会希望
昔同じクラスだったり同じ学年だったりした連中と久しぶりに集まる同窓会というものに、僕は行ったことがない。と言うより呼ばれたことがない。それには理由がある。もちろん、単に僕が敬遠されていて僕だけ知らされないままどこかで開催されている可能性は否定できないが、それとは別の心当たりがある。それは、僕の少し変わった学歴だ。
僕は小学校こそ地元の市立に通っていたものの、中学・高校・大学はそれぞれ別系列の私立に通わせてもらった。中学は桐朋、高校は東海大相模、大学は慶應である。
僕の小学校は田舎の小さな学校で、ほとんどの生徒がそのまま近くの市立中学に進学する。わざわざ中学受験をして地元を離れる者など学年に数名だ。そしてその市立中学にはいくつかの小学校出身者が集う故、新たな仲間がたくさん増える。だから、いざ同窓会をやるって時にわざわざ、中学の友達との中学同窓会ではなく、小学校単位で集まろうとは、ならないのだ。この市立中学同窓会にもちろん僕は含まれない。
これと同じことが桐朋中学でも言える。自分で言うのもなんだけど、桐朋は中高一貫の進学校である。在校生はみな厳しい中学受験をパスして6年間の在校資格を得ている。そんな中、せっかく得た高校進学権を放棄して違う高校に進学する者など、当然ほとんどいない。更に、みんなが桐朋高校に上がる時、高校受験で入学してきた新たな同級生が仲間に加わる。わざわざ中学時に遡って集まる必要はないのである。当然僕は桐朋高校には含まれない。
東海大相模高校も同じ。9割以上の生徒がそのまま東海大学に進学する。中高と同じ現象が起こる。
「そんなに言うなら自分で企画しろよ!」と言われそうだ。確かにその通りなんだけど、残念ながら僕にはそんな行動力はない。だからこうやって寂しいアピールをして、誰かが腰を上げてくれるのを待っているこの頃である。