第315回:遠い夏
今年は気付かぬうちいつの間にか梅雨になっていた。たぶん今月の始め、僕らが試合で宮崎に行っている間に東京も梅雨入りしたんじゃないかな。だから今日から梅雨です、といった節目に立ち会うことが出来ず、心の準備もままならない状態でキラキラとした太陽とお別れすることになってしまった。
僕は、ジメジメして暑苦しいこの梅雨の季節が好きではない。ちょっとそこまで出掛けただけで汗をかくし、洗濯物はいつも生臭いし、低気圧で全身がむくんでしまう。
ただこの季節には、夏がもうすぐそこまで来ているというワクワク感がある。今年の夏はとても熱くなりそう、とニュースで言っていた。友達と「今年の夏こそは、海行って、川行って、BBQして、キャンプして…」などなど希望を語り合う。きっと夏が終わる頃には、やりたかったことの半分もできていないことに焦り、“期待したことなど何ひとつ起きなかったな。まだ諦めてないけど…”とMr.Childrenを口ずさんでいるに違いないけれど。
少し具体的な話をする。
僕らは8月27・28日の週末に兵庫県尼崎で全日本実業団個人戦に出場する。次のステップへ進むための重要な大会だ。パーク24柔道部はこういう大きな試合の一か月前、つまり今年は7月27日から強化期間に突入し、毎日練習漬けになる。試合が近くなれば各々減量も始まって、食べることさえままならない。そうなれば当然ろくな遊びができない。ちなみに、今年の関東梅雨明け予想は7月23日頃らしい。まったく不都合な真実である。僕らの夏は、9月から、いわゆる残暑の頃、ようやくスタートする見通しだ。