第326回:Eggs’n Things

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原宿のEggs’n Thingsなるレストランに、柔道部の仲間三人で行った。仲間の一人がなかなかの甘党で、そこのパンケーキが食べたいと言い出したのだ。僕は甘いものに強くないが、「まぁ軽いおやつでもつまむか」くらいの気持ちでノコノコ付いて行った次第だ。

店はハワイをイメージした雰囲気で、ホームページによると「“All Day Breakfast”というコンセプトのもと、朝に限らず昼でも夜でも美味しくてボリューム感のあるブレックファーストメニューを楽しめるカジュアルレストラン」だそうだ。

僕は知らなかったけれど結構有名な店らしく、平日の昼過ぎだったが10分待つ程度の行列ができていた。並んでいるのは女の子グループかカップルばかりで、男だけで来ている客は他に見当たらない。原宿の細い通りで、女の子たちの数奇な視線を浴びながら並んでいるのは僕にはいささか居心地が悪かった。「何名様ですか?」と聞きにきた店員も、どこかに連れの女性がいるはずだと思ったのか「三人」という答えに少し動揺した様子だった。そんな僕の落ち着かない気持ちをよそに、他二人は何を食べるか決めるのに夢中である。他人を気にしすぎる自分の弱さと、彼らの逞しさに終始苦笑しつつ並んだ。

やがて店内に通され、店員に注文を告げた。頼むのはもちろんここの看板メニューらしきパンケーキである。大きなお皿に、パンケーキ4、5枚が敷き詰められていて、その上に高さ15㎝ほどのホイップクリームが建てられている代物。一人で食べ切る自信のなかった僕は、他一人と一緒に一皿食べることに。甘党の一人はもちろん一人で一皿注文した。

案の定、僕らは二人で一皿食べるのにも苦戦した。パンケーキは良いとして、ホイップクリームが強敵だった。後半は、「もうあとのクリームは食べていいよ」の応酬であった。そんな僕らを横目に、甘党は一人で一皿ペロリと平らげた。甘いものが好きとは言え、これだけの量をしっかり食べ切る甘党は凄いなぁと感心した。しかし、ふと周りを見れば、普通の女の子たちがそれぞれ一人で一皿食べている光景が。これには流石の僕も震撼せざるを得なかった。それはたぶん彼女たちが、「一食で三合の米を食う奴がいる」という事実を叩きつけられたのに等しい驚きであろう。

「女の子って甘いもの好き」という一般論は確かに聞いたことがあるが、ここまでとは思わなかった。そりゃダイエット出来ない人間が大勢いるわけだ。決して小さくないショックと新事実を発見した興奮を抱え、僕は店を後にしたのであった。

Eggs'n Things2