第329回:いわて国体②~試合について~
さて肝心の試合である。
結果は3回戦で千葉に2-1で負け、ベスト8。国体チックに言うと5位入賞。今年こそはメダルを獲るつもりで岩手に乗り込んだ神奈川県チームとしては少々悔しい結果である。僕はチームの副将(90㎏超級=90㎏以上ならいい枠)として出場し、1勝2分だった。勝率としては良い数字ではないが、1・2回戦では副将としてすべき仕事は辛うじてこなした感である。
具体的に言うと・・・1・2回戦とも僕が引き分け以上でチームの勝利が確定する場面。だからどちらも引き分け狙い、徹底して無難な試合をした。1回戦は結果的には指導二つ差で勝ったものの、とにかくリスキーな展開を避けた。3回戦は、2-1の1点ビハインドで回ってきた。相手の2点はどちらも一本、こちらの1点は僅差。つまり僕がどんなかたちでもいいから1点をもぎ取らないと、大将戦を残したその時点でチームの内容負けが確定する場面である。だから、あくまで“僕にしては”という話ではあるが、最初からガンガン前に出て足を出して行った。しかし相手にしてみれば引き分ければ良い場面、決して出てこない相手に対し決定的な場面を作れず引き分けた。1・2回戦で自分のやったことを3回戦は相手にやられたわけだ。
国体の成年男子柔道には、意外と豪華な選手たちがたくさん出場する。だから観る者には面白い、出る者には怖い大会だ。
と言うのは、だいたいみんなそれぞれの出身県(あるいは出身中学・高校がある県)から出場してくるわけだが、「〇〇選手って〇〇県の出身なんだ~」といった気付きと高レベルな対戦が、観る側には結構面白いはずなのだ。が一方戦う側としては、「次に戦う〇〇県には強豪校もないし、まぁ大丈夫でしょう」なんて考えていると、「え~、あいつ〇〇県出身なの!?マジ戦いたくないわ」と不意打ちを食らうことがよくあるのだ。僕が今回対戦した3人もみんな全日本選手権に出るような、講道館杯でよく会うような手練れ達であった。
そんな強者を相手に、個人的にはそう悪くない感触でこの大会を終えてひとまず安心。次はいよいよ講道館杯である。今年こそ、一皮剥けてやるために、納得の出来る準備を積み重ねていく所存。