第391回:駐車場の雪事情
そんなわけで、次の日23日の朝9時から、各地区の営業担当の人の下に1チーム3~4人で班を作り、雪の降った地域全体で片っ端から雪かき業務が始まった。
僕らの雪かき業務とは具体的に、埋まってしまったパークロック(小さい駐車場に車を停めた時、車の下から上がってくる板みたいなやつ)やカーシェアの車を掘り起こし、お客様が混乱せずに使えるように駐車場のラインや車止めや車室ナンバーを見えるようにしておくことだ。
僕は、世田谷の成城らへんを回る班に配属され、先輩社員らと駐車場を掘り起こして回った。この日は幸い天気も良くて、雪かきをしていると汗が出てくる陽気だった(僕だけかもしれないが)。一日中雪かきをするなんてもちろん初めての経験で、どれほど寒さ対策をすればいいのか悩んだ末、アンダーアーマーのヒートギアの上にサウナスーツを着るという最強の格好を選んだことを、したたる汗を手袋で拭きながら後悔した。
結局この日は30件弱くらいの物件を回った。終盤は、流石の僕ももう背筋やら腰やら握力やらが、なかなかキツかった。普段、鬼のように鍛えていても、やはり慣れない動きには弱いものだ。となると当然、周りの先輩社員たちはもうヨロヨロ状態だ。そんな姿を見ていると、一日かけて必死こいて働いたこのチームに勝手に一人で絆を感じ、その疲労感も少し心地よかった。
この日一日、人手を総動員して丸々雪かきにあてたものの、まだ終わらない地区がたくさんあって、およそ半分くらいの社員はその次の日24日の業務も雪かきとなった。僕も当然雪かきの方だった。
24日は、23日よりもグッと気温が下がったせいで、溶けた雪がガチガチに凍ってしまっていた。アスファルトにへばりついた氷を剥がしたり砕いたりする作業は、雪をザクザクとどかすのよりもずっと地味でしんどかった。
この2日目もたぶん30件くらいの物件を掘り起こし、はれて雪かき業務終了となった。まるまる2日間ずーっと雪かきをしたわけだ。今回の積雪で雪かきした量のランキングで東京地区ベスト10くらいには入るだろうなと自負している。とにかく過酷で壮絶な2日間だった。いわゆる肉体労働の方たちの気持ちが少しだけ分かった気がした。
さて、そんな過酷な2日間を過ごして、雪が降る前にはこっそりワクワクしていた僕だけど、もうしばらく雪は要らないかな。まぁ次は4年後くらい、僕が柔道を引退して、か弱いオジサンになった頃でいい。
積雪から1週間ほどたった今日、東京は記録的な寒さで、まだまだ路上に雪や氷がたくさん残っている。積雪後、雪かきをせずに自然融解を待っていたら大変なことになっていたに違いない。よかったよかった。
都心でさえ雪が残っているのだから、きっと僕の地元青梅の雪はまだまだ溶けていないんだろうな。当分、車で帰省はできなさそうだ。