第393回:草津旅行①
先日、初めて草津温泉に行った。相方と「一泊くらいでゆっくり温泉でも行きたいね」などと話しているうちに決まった小旅行である。なんでわざわざ白根山が噴火したこの時期に?と言われそうだけど、草津の方は特に問題ないとのことだったし、そのせいで街が寂れているなら、むしろ応援しなきゃダメでしょう。
土曜日の練習後、15時に武蔵小山を出発して、まずは青梅へ、実家のエスティマを借りに行った。おそらく雪の積もっている草津を攻めるにあたって、僕の愛車フィールダーはスタッドレスタイヤを履いていないからだ。両親に日の出インターチェンジのすぐ近くまで来てもらい、そこで車を交換、草津に向けて北上した。
日の出から草津はおよそ150㎞の道のり。高速道路を100㎞ほど行った後、残り50kmは山道を行く。だいたい2時間ちょいの移動だ。ドライブしてみて、意外と近かったけれど、もっと温泉街の近くまで高速道路を通せば人が集まるだろうに、とも思う。いや、遠いから良いのか。予想に反して、僕らの通った道に雪はなく、「これならフィールダーで来ても大丈夫だったかもね」などと話した。
夜7時前に宿泊先に着いた。中心街からは少し離れたところにある、老夫婦がノンビリ経営している小さなペンションだ。貸し切り露天風呂が無料で使えて、一泊二食付き8000円弱。良心的。
僕らが着いた頃にはもうご飯が用意されていた。おかずの品数が抱負で、ご飯をお櫃で出しておいてくれるシステムが嬉しい。僕の、出された分は全部食べないと気が済まない性分は、お櫃にも当てはまる。2合分くらいの米もしっかり全部食べてやった。
お腹を満たした後、露天風呂を10時~の枠で予約してから、外に出た。いつの間にか雪が降り始めていて、辺り一面うっすらと白くなり始めていた。ペンションのお爺さんに傘を借りて、中心街の方へトボトボと散歩した。
噴火で人が来ないとは言っても、流石に湯畑の周りにはそれなりの人がいた。気温が低いせいで湯気がもうもうと上がり、なかなか見通せなかったけど、ライトアップされたそれはとても幻想的だった。
いちおう湯畑の奥の階段の上にある神社にお参りをして、その日帰ってから呑むお酒をちらほら買って宿に戻った。散歩の最中も雪はずっと降り続き、着実に積もっていた。お蔭で、帰り道は自分たちの足跡以外何の痕跡もない雪道をシトシト歩いた。「フィールダーで来なくて本当に良かったね」と話したりした。