第398回:天理合宿②

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今回の合宿中、僕らはいつもの道場に近い宿が取れず(これも多分、人数の多い合同合宿のせいだ)、少し離れたビジネスホテルに泊まった。そのため、合宿中の移動は全て(ホテルの周りにはほぼ何もないため、練習の時だけではなく洗濯や食事の時も車での移動が必要となる)新大阪駅のタイムズで借りたレンタカーを使った。車種は10人乗りのハイエース。普段から車を運転しているのと、練習試合に出ないということで、僕は運転手に任命された。運転には確かに慣れているものの、ハイエースはなかなかの強者だった。今まで運転した最も大きい車は実家のエスティマだ。ハイエースはそれより二回りほど大きい。始めの頃は、いつもの感覚で走っていると左側が電柱とスレスレだったり、内輪差にやられて何回も切り返さなくてはいけなかったりと手こずった。運転席が思った以上に高く、周りの車を見回す時、どうしても上から目線の威圧的態度になるらしく、他の車の運転手は僕と目を合わそうとしなかった。

2日目の夜ご飯、天理大出身の後輩に導かれ、何人かで中華系定食屋に行った。当然みんな、その後輩が胸を張ってお勧めするメニューを頼んだ。後輩に「大盛りにした方がいいよ」と唆されて、みんなそれぞれ大盛りにしたが、これがなかなかの量である。田舎あるあるの、サービス精神に溢れたオバちゃんがこれでもかと米を盛ってくれるやつだ。僕が割と普通にお腹いっぱいになる量だから、軽量級なんかは大変だ。一緒に行ったメンバーの中で一番小さい、通称チビ助は洗面器みたいな器まんぱんに盛られたマーボー丼を、汗をかきながら必死で掻き込んでいた。いつもメチャクチャ食べる僕らと一緒に行動しているこのチビ助は「先輩たちといると太りそうっす」と今回もさかんにこぼしていた。

 

今回の合宿は、何だかとても短く感じた。こういう生活の終わりが近づいているんだなぁという気持ちがそう感じさせたのかな。次の日の練習を想像して泣きたくなるような合宿中の疲れを、いつか懐かしく恋しく思うのだろうか。とにかくせっかくこの合宿に連れてきてもらったのだから、最後の平和カップでみんな迷惑を掛けないよう頑張ろう。