第406回:BBQ②

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そんな風に設備面の支援、食材面での努力が実って、バーベキューの会自体は滞りなく、美味しく楽しくやることができた。この日は他のお客さんもいなくて、管理人のオジさんとも仲良くなった。普段は貸し出し用じゃない高級な囲い焼きコンロまで貸してもらって、ハンバーグのような塊肉はそれで焼かせてもらった。食材が良かったのか、コンロが良かったのか、作った人が良かったのか、あるいは自分たちで作ったという事実がそう思わせるのか、ハンバーガーは当初我々が予想していたものより数段美味しくできた。少し感動するレベルだった。見栄えも悪くない。みんなでお店を出そうかと話した。僕の同期のやつは満足そうに当初の目的通りインスタにその写真をアップしていた。

 

貸し切りで周囲の目もなかったから、強い日差しの下、みんな上裸になって、肉を焼いては食べ、呑み、バカみたいなことを話し、少しだけ真面目な話もした。僕はみんなに最近の柔道部について聞き、他のメンバーは僕に会社生活について聞いてきた。これだけ近くに住んでいて、これだけ気軽に会えるみんなだけど、やっぱり一つ屋根の下に住んで同じ目標に向かって同じ生活をしているのとは全然違う。みんながまだ頑張っているのがほんの少しだけ羨ましくなったし、頼もしくもあった。俺もまた頑張ろうと思った。

 

この昼下がり2時間のバーベキューで大人しくその日を終えるはずもなく、撤収した後は同じメンツで近くの居酒屋で呑み直した。実に良い休日だ。今度は僕の実家の方ででも、泊まりででも、またバーベキューしような、と盛り上がった。