第442回:貧乏性

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 ありがたいことに、なに不自由なく育てられてきた僕だけど、ちょこちょこ貧乏性なところがある。細かいところから大きなところまで、色んなところで「もったいない」と思ってしまう。

 例えば、ご飯。僕は残すのが極端に苦手だ。個人で食べる時は、注文する量を調整すればいいだけだが、大人数の飲み会などは、どうしたって余り物が出てくるもの。だけど、それさえどうしようもなく居心地が悪くて、頑張って食べてしまう性質だ。徹底したダイエットをする際は、この食べ物に対する「もったいない」は捨てなきゃいけない。とてつもなく苦しい決断だ。

 

 最近は、トレーニングウェアが捨てられなくて困っている。お気に入りのアディダスのトレーニングウェア。灰色の長袖ジャージと黒の短パン。もうかれこれ34年くらい、おそらく週に3回くらいのペースで着てきた。そりゃもう寿命だ。どちらも色は褪せて、生地はくたびれて、アディダスのマークなんてとうの昔にはげ落ちた。袖についている輪っか状のゴムは両方とも360度のうち300度くらいは外れている。

 それでも、まだ着られると誤魔化し続け、愛用してきたものの、最近ついに短パンの股の部分が裂けてきた。こうなるともう着られる着られないの問題ではない。周囲の人に不快感を与えてしまう、下手したら犯罪の領域だ。いちおう断わっておくが、短パンの下にスパッツを履いているから、本当にヤバいことにはなっていないけれど、傍から見て「破れてるなぁ」と認知されるほどに穴は大きい。流石の僕も手放す時が来たのだ。

 近いうちに、カッコ良いの買いに行こ~。