第453回:オリンピックチケット
30年弱生きてきたけれど、100%運任せの勝負に、あまりいい思い出がない。生まれとか、人との出会いとか、そういったところでは本当に恵まれているなぁと思うものの、くじ引きやギャンブルから面倒な仕事を押し付け合うジャンケンなど、ツイてると思えたことはほとんどない。
そんな訳で、もちろん悲観的性格もあるけれど、あまりツイてないことを自覚しているから、運任せの勝負には基本的に乗らないスタンスでいる。ギャンブルは絶対にやらないし、何かを賭けるジャンケンだって嫌いだ。
このツイてなさがまたも発揮された。東京オリンピックの観戦チケットだ。まぁこれに関して言ってしまえば、かなりの倍率の高さ故ほとんどの人が外れているようだから、そこまで僕一人がツイていないとも言えないけれど、やっぱり当たらないもんだ。
僕が申し込んだチケットは、うちの選手が出場し得る階級の柔道競技だけだ。申し込むまで知らなかった、チケットの高額さに加え、いざ当たったところで本当に行くのか、誰と行くのかという現実的な壁に阻まれ、まぁ誰かしら友達が行くであろう柔道だけにしたのだ。
そんな、あまり強くない動機とどうせ当たらないだろうなという諦めの気持ちのおかげで、サーバー混雑で一時間以上待たされた挙句に“落選“と分かった時もさほど落ち込まずにすんだ。
「いいんだ。ここで使わなかった、なけなしの運をかき集めて、次のMr.Childrenのライブチケットに使うんだ」と、たいがい意地悪な神様に聞こえるように言っておいた。